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ブレインソーシング

最近のCOBOL案件の年齢の壁:どんどん高くなる

ミドル・シニア向けのエンジニアジョブ紹介をしてきて、最近”年齢制限”
増えてきていないかと感じてきたので、この1年間の傾向を調べてみました。
*分類の仕方
・弊社に来ている案件のうち、COBOL開発案件を対象(汎用機、オープン問わない)
・年齢制限がついてる案件を分類
  ・40代までの年齢制限記載があるもの
   (30代まで、20代までの制限もこちらに含む)
  ・55歳までの〃
  ・60歳までの〃
  ・65歳までの〃
  ・年齢制限記載がない案件
  (年齢不問ということではなく単純に案件に年齢制限記載がない案件)
 各月案件数はばらばらですので、比率で表現しています。
この1年間のCOBOL案件の年齢制限の傾向

この1年の傾向を調べると、
①年齢条件のついた案件が増えてきている(50%→80%)
②年齢が低い制限がどんどん増えてきている。
(40代+55歳までが この1年間で30~40%→60%~70%になってきている。
②55歳以上の層が薄くなってきており、案件の中で狭き門になってきている。
(25%→10%に減)
レガシィ言語なのに、年歴制限をデジタルでつける意味はどこにある?
例えば、55歳と56歳、59歳と60歳、61歳、1歳の違いで案件の仕事上にどれだけ影響するのだろうか?
昔みたいにハードなプロジェクトなので、30代、40代の若手ではないと体力上乗り切れませんというならわかりますが
現在は、プロジェクト現場でも『働き方改革の波』が押し寄せて大抵の職場は残業管理に非常に厳しくなってきています。
スキル・能力があれば、対応できるプロジェクトは増えてきているはずです。
では、なぜ年齢制限つける案件が増えているのか?
それはスクリーニングするための一番簡単の方法だからか?
年齢に対してのイメージがあるからか?
本来、案件にマッチする人材を決める際には、スキルと人物で選ぶべきだと思います。
でもそれをスクリーニングするためには、職歴表を読んで、分析しないといけません。
多くの応募者の職歴表を読んで、分析する手間をかけるよりは、年齢でまずスクリーニングをかけたほうが簡単なのではないか。
もしくは、年齢高いと扱いにくいという感覚でとらえれているのかもしれません。
そうだとしても、60歳までというデジタルナンバーで区切ってしまうのかよくわからない。
せめて
〇〇歳ぐらいまで とか幅を持った言語的表現ができないものだろうか?
あまり日本が『嫌老社会』だとかは断定したくありませんし、やはり、職歴の中で唯一デジタルのものが年齢でそれである意味だれがやってもスクリーニングできる簡単さからではないかと思う
年齢バーによって必要な人材をとりこぼしている
現に弊社でも60歳過ぎてプロジェクトでコーダとして、バリバリ改修・テストしている人間もいれば、顧客と会話しながら十分要件・設計を決めて行っている人間もいる。
私の経験上、面談まで行くと、ほとんど合格で、途中でスキル合わずに退出する件数も少ない。
役になっていると言われることの方が多い。
しかしこうした入ったらお役に立てそうな人材でも、案件が年齢バーで区切られると提案をあきらめざるを得ない。
年齢バーではなく職歴表を見て内容分析してスクリーニングしよう
プロジェクトの成功要因の8割は人が握っているようだ。
やはり、その人個人の培ってきた経験とスキルそして人間性が”プロジェクトと合うか”が重要なのだ。
経験が豊富な分、経験の差や長さによって個人差が大きくなる。
どんな経験してきたかが職歴表であり、長い職歴表も一定のルールがあれば、プロジェクトとしての簡単なスクリーニングができるはずだ。
例えば
1.必要スキルの年数
2.必要スキルの経験時期
3.従事工程
4.プロジェクトの期間
5.インターバル
年齢で単純にスクリーニングするより、職歴表でスクリーニングしたほうがスキルや環境ニーズとのマッチ度は高くなるはずで、そもそも年齢制限はいらない。
今後、AI、IOTと新しい分野でのIT人材のニーズが高まってきている。
レガシィ系の人材は、年代層をミックスしながら継続していかないとIT人材そのものの全体最適は図られないのではないかと思う。
年齢層で区切るのは簡単だけど、対応可能な人材も落としていることに気づくべきだ。年齢を単純な足切りのデジタル数値で考えるのではなく、より幅広く考えれば技術者の補充や、拡張により対応しやすくなるではないか。
次回はより人材不足が深刻な、オープン系での年齢制限の壁を調べてみたい

「人生100年時代のライフプランニング」とは

先日、HR関係のセミナーに参加して
「人生100年時代のキャリアプランニング」と題してある企業の取り組みの発表があった。
その企業は、長く働いていくためのスキルアップのモチベーションを向上させていく、
そのためにスキルポイント制を導入しながら年功序列からスキル重視へと転換させていく
取組をしているという発表であった。
企業としての取り組みとしては画期的なのであろう。
でも「人生100年時代のキャリアプランニング」といったときに、
何か重要な視点が忘れ去られていないのか感じぜずにいなかった。
人生100年時代になり、労働できる(しないといけない?)年数は増えてきている。
弊社も60歳超えたIT人材を紹介していく事業をしているが、
60歳、65歳を超えてもシステム現場でバリバリこなせる方もいらっしゃる。
仕事をしたいというシニアのエンジニアが多い中、まだ仕事を提供できる場が増えていないのが現実だ。
政府は、65歳定年制の推進や、70歳までの雇用を努力義務としていくという動きがあるが、
一方で企業側は終身雇用の放棄を宣言し、それどころか40代からの早期退職募集を行う
企業が増えてきているのも事実だ。
キャリアを同じ会社にて続けていこうにも、企業はそれはダメよといいつつある。
「キャリアプランニング」どこで作る?
キャリアプランとは、人生において、将来的にどのようになりたいかという目標を持ち、
計画を立てることであり、人生設計の中の、働くことに関するプランニングである。
本来は、自分自身の人生のためにあるものなのである。
でも実際、我々が「キャリアプラン」として作る場面は、学校であったり、企業の中だ。
会社で作る「キャリアプラン」は、自分の所属する会社でどうスキルアップするかを作ることが目的となっている。
右図は、キャリアプラン作成の説明時によく用いられる図だ。自分のキャリア像と企業の目標、求めるもの
とのすり合わせが重要になってくる。
もちろん人生のキャリアを積み重ねる場として企業の果たす役割は大きい。
だからこそ、企業の求めるものと個人のキャリアとのすり合わせが必要なのだ。
人生100年時代のキャリアプランとは
しかし、人生が長くなり、今終身雇用がなくなりつつあり、人生でのキャリアも複数ステージとなってきている。
企業の中だけで「キャリアプラン」を作るだけでは「自分のライフキャリア」は築けなくなってきているのだ。
複数ステージでのキャリアプランニングでは、ベースに「個人としてのライフキャリア」があり、
それに合わせて、各ステージごとに、どこで、どうキャリアを積んでいくのか考えながら、”選択”
していくことが求められる。
すり合わせも、キャリアを積み重ねる場として企業があり、自分のキャリアを
形成していくためのすり合わせであり、個人のライフキャリアの重きが出てくるであろう。

選択はリスク、でも選択してきた方のほうが…..

自分のキャリアをステージごとに見直しながら、企業との関係も定期的に見直してみる。
もし違うのであれば、”違う選択”をしないといけない場合が出てくるであろう。
自分で選択をしていくこと、終身雇用で生きてきた世代からすると、リスクでしかない。
でも、多くのシニアに仕事を紹介している立場からすると、過去
”選択してきた方”のほうが1社で全うされた方より、圧倒的に”スキルも立っており”
仕事も紹介しやすいく、顧客にアピールもしやすい。
選択を勇気をもって行っていくこと、これが100年時代には重要になっていく。
ライフキャリアはなるべく早めに考えたほうがいい。
60歳、65歳定年を迎えて、さて私のこれからのキャリアは・・・と考えても
すでに遅い。あなたの積み重ねてきたキャリアで勝負するしかない。
本来は、仕事も任され、自分の周りも理解できるようになる30代、40代から自分の将来
キャリアをどうするか考え始めたほうがいいのかも知れない。
今までのスキル・経験をもとに将来に渡ってどこで、どうキャリアを延ばしていくのか。
もちろんプランどおりに進むわけではないので、見直しや修正、方向転換も必要になるだろう。
ただ、自分のライフキャリアを会社まかせにしないということが重要なのだ。
もちろん 「あなたのライフキャリア」はあなた自身のものだから。

自分の職歴の”とがった”部分を見つけよう

60歳周辺のエンジニアの方と面談して”どんなお仕事希望しているんですか”と聞くと、
自分が過去経験のあるスキル全部を希望対象として挙げてこられる方がいる。
例えば
20年も30年もブランクのあるスキルだったり、
30年も職歴あるのに、1,2年しかしていないスキルであったり
プロジェクト調整役だったらみたいなスキル
をもととして”お仕事つければ”とお話される方もいる。
当然プロジェクトで経験されたスキルであるから、いれば”なんらかのお役”に立つ可能性はあるのだろうが、
相手の具体的なニーズに答えられなければ(少なくとも答えられそうでなければ)、
応募したところで、選ばれないだろう。(ほとんど職歴表出しても面談には通らない。)
若い人材ならともかく、あくまでも、即戦力で対応できる人材として求められていると認識すべきだ。
自分はどうやった分野で競争できるのか、自分の長い経験を見ながら
とがった部分を明確にして、そこにフォーカスしていくことが必要だ。
自分の職歴の”とがった部分”を見つけて行こう。
そんなことを言っても、私にはとがった分野なんて思いつかないという方には、
次の方法をおすすめしたい。
自分の経験・スキルを要素分解して、
・掛け算する
・深さを足す
・逆に幅を狭めてみる
こうして、自分の職歴上での特徴ある分野を見つけ出すのだ。
単品(COBOLといった言語)だけだと、なかなか若い人には生産性で勝てない。
20年も30年も長く経験を経ているシニア。若い人に負けない多くの経験や広い範囲での実務経験を積み重ねてきている。
自分の経験・スキルを単純に列挙するよりも、掛け算、足し算して、経験者としての深く・濃い部分をみつけだそう。
1.掛け算
たとえば、言語だけではなく、業務スキルを掛けてみる。
単純にVBAでは提案難しくても、保険料計算の業務経験があれば、VBA+保険料計算 となるとがぜん競争力が増す。
2.深さを足す
PMOのような分野ではスキルとプロジェクトニーズのマッチングが難しい。
PMOとして求められる範囲はピンからキリまである。(あなたが、キリの部分で働きたいと思うなら、それは若い人に
取って変わられます。)
・単純にプロジェクト支援という経験を提示するより、
・品質管理で指標を作りながら成果をあげた、
・大規模プロジェクトで数百名のプロジェクトのコントロールをした
顧客の立場で業務要件のとりまとめや、ベンダーコントロールしてきた。
といった”支援”という仕事を深堀して、より”具体的”に提示できるといいだろう。
3.幅を狭める
たとえば汎用機言語であれば、COBOLよりアセンブラ。
市場も少ないが、若い人はまず経験しない分野だ。また、汎用機でも言語より基盤のほうがそもそも人口が少ない分
競争も少ない。
現状でも、ほぼシニアしか携われない分野が残っているのも事実だ。
こうした分野をかじっていれば、もうあなたしかいない ということになる。
このように自分のスキルを要素分解して掛けたり、深堀したり、フォーカスしたりすることで
自分の特徴なり、競争力が増してくる。
要素分解はできるけど、今の市場で求められているのか・・
自分の経験・スキルの要素分解は出来ると思う。
でも要素分解の内、その要素が市場で求められているかどうかわからないと、
”強み”としてアピールできるのかわからない。
一番は、様々なエージェントとあって自分のスキル”要素”がマーケットでどのくらい求められているか
確認することだ。
多くのエージェントがニーズが多くあると言ってくれればそれは求められている可能性が高い。
そこまではできないという方は、indeedのようなサイトで検索して、
どんな要素が求められているのか、求められている要素とその数を見てみることだ。
多くの案件で共通的に求められている要素であれば、それは強く求められている可能性がある。
自分の強みを認識して
シニアのエンジニアには、長い経験の蓄積があり、強みを生かせる部分が必ずある。
自分のスキル・経験要素を掛けたり、深堀したり、狭めたりして、自分の”強み”が
どこにあるのか自分なりに認識してもらえればと思う。
自分の強みを認識することによって、仕事を探す上での最初の一歩も違ってくるはずだ。

その職歴盛られていませんか?

職歴表盛るのは普通?

人材探しで悩む先輩が後輩から職歴表を渡され、そんないい人材いないだろうと期待なく職歴表を見ると、
あれ、これもこれも「こんな優秀な人材どこで集めて来たの!」というよく流れているTVCM。
CMでは、ここで会社名を皆で言うのだが、
私は、「その職歴表盛られていませんか?」と言ってしまう。

シニアのエンジニアという人材マーケットの中でも年齢バーがある厳しめの市場に事業を進めているので、
弊社にも職歴を操作したり、年齢を下げて記載してこられる方がいるのも事実だ。
ある候補者と面談したときに、「盛るのが普通では」とおっしゃる方もいらっしゃった。
(その方は盛ってなかったようだが・・・)
エージェントの中にも、そうした行為を薦めていたり、年齢を下げて提出する会社さんもいらっしゃるので、本人もそれに慣れているのかも知れない。

弊社は、60代の方も対象としているので、年齢を下げれば入れそうという誘惑にかられるが、年齢名目上、下げて入れても、”シニアの活用”という観点では意味がないこと、ひとつ不正を行うと、職歴自体いくらでも変えてしまえることになるので、弊社では、本人から出された職歴表の内容そのものを変えることはしていない。

職歴表盛ると・・・・・・

職歴表出すのであれば、通るようになるべくカッコよく出したくなるのは、気持ちとしてはわからないでもない。
問題は、盛るの積み重ねによって、スキルがないのに、スキルあるように見えてしまうこと。
(見せているんでしょうけど・・)
職歴の盛りがデキル範囲を拡大していく。
本人はもちろん盛っていることを言えないし、(書いておいて)ここは難しいとも言えないので、そのまま提案・面談となり(下手すると)合格となったりする。
でもいざプロジェクトに入ってみて、実際のもっているスキルが発言と合わなく、短期で契約解除となってしまう。
本人としてはもしかして短期狙いでギリギリのところをいっているのかもしれないが、こうした行為を続けると商流がだんだん少なくなっていくので本人も不幸となる。

職歴表の盛り方

職歴の盛り方は、だいたいが、年齢下げてもってくる+職歴の月数のごまかし(延長)だ。
職歴の月数にしても、1か月で契約解除でも3、4ヶ月に伸ばせば、一応プロジェクトはこなしたと口上はできる。
特に、直近のプロジェクトの長さが評価されるので、直近1,2年のプロジェクトだけ非常にきれい(切れ目がなかったり、長かったり)だったりする。
こうした盛り方は、見極めにくい。年齢経験重ねている方は、しゃべりもうまいので、一筋縄ではいかない。

スキルテストを合わせる

弊社でも、「盛った」職歴表もとに、現場にメンバを送り込んで、提示スキルがなかったという経験をしている。
さすがに、口頭面談だけで難しいし、そもそもスキルがあるかの見極めができればいいので、
COBOLとRPGについては、簡単なテストをすることとした。
一応職歴聞いて、スキルを確認した最後に、言語テストをして、言っていることの整合性を確認する位置づけだ。
30分もあれば、出来るテストであるが、いざ、現状現場に入ってるメンバにもやってもらっても、
突然テストをされると、なかなか正解できない。
毎日ソースを見ていても、仕事上はコピペを中心として作業している世界なので「命令文書いて」と言われると対応できないようだ。
しかしながら、面談で適用した事例では、テスト前は、出来ると言っていた範囲が、テストして、記載している部分の一部については、苦手と回答される方や、バージョンの違いによってわからないと言われたり、より正確に本人のスキル活用範囲の見極めに役立ってはいる
このテストまだまだ試行錯誤しながらであるが、将来的には面談+スキルテストでスキルを自信をもって提案できるようにしていきたいと考えている。
また、プロジェクト案件における現状ある年齢バーについても、スキルを測ることができれば中身で応募できるようになっていってもらえれるのではないかと考えている。

あなたは自分の強みを自信をもって語れますか。

お仕事探す前に自分の”強み”は何か認識していますか。

会社で長く務めあげ定年を迎えた今、これから第2章として、自分で人生を切り拓いていく立場となり、次の仕事を探し始める。
でも、お仕事探す前に”自分の強み”を認識していますか。そして、自分の強みを自信をもって語れますか?

様々なシニアのエンジニアの方と面談させて頂いているが、面談の時に気になるのは、大枠自分のスキルの売りは認識していても、職歴を細かく聞いたり、案件の例を示して、こんな仕事のイメージですかとスキルを具体的に確認していくと、”これはできない”とか ”簡単なことしかしてないので”という感じで できないことのオンパレードになってくる。
どこか得意なことないですかと確認すると、”自分は大したことしていないので” と言われてします。
聞いているほうは、おいおい、一体あなたは何ができるんですか?と質問したくなる。

SEは仕事の上でもリスク計算をしがちだ。
私も若いころ、提案書に、機能と費用見積もり記載した下に、これこれは対象外ですという対象外条項
を大量に記載したことがある。提案書を見たお客様に「逆に何をしてくれるの」と言われ、自分で読み返してみて、実施することは殆ど記載していないことに気が付いた。
スキルの棚卸においても、どうしてもリスク回避のクセから、できないこと→ネガティブの方向に言ってしまうのではないか。

あなたのスキル・経験の価値を決めるのは、あなたではなく、相手なのだ。

エンジニアはシニアと言えども、スキル重視であり、シニアだからこそ経験重視でもある。
だからこそ、自分のスキルや経験を「ちゃんと」説明できることが重要なのである。
誰も、「できないこと」にお金を払う人はいない。
あなたが「できる」ことにお金を払うのだ。

でも、そんなことは言っても、自分のスキルは大したことないとお思いのあなた。
あなたのスキルが「大したことないのか」「価値のないものなのか」を決めるのはあなた自身ではなく、お金を払ってくれるお客様だ。

スキル棚卸は出来ることにフォーカスし、幅を持って考えよう。

だからこそ、自分のスキルの棚卸が必要なのだ。
何か出来て、何が得意なのか。自分が提供できる価値は何なのか。
そしてこのスキルの棚卸で重要なのは、

・できないことではなく、できることを中心に深堀する。(引き算でなくて、足し算で考える)
・できる、できないは1か0で考えない。

できる、できないの区別ではなく、コアのスキル、まわりはどの範囲までできるのか、どうフォローされればできるのか、できるかも知れないのか、コアスキルをベースにスキルを広げて考えることが必要だ。
たとえば、設計は得意だけど、構築は難しいということであれば、設定については最初フォローをもらえればとかリーディング難しければ、まわりにこういう人間いればできる等、なんらかのサポートがもらえればできるところも出てくるだろう。
そもそも、一人でやるプロジェクトはないのだから、うまく役割分担できればいい。
その役割分担をスムーズにするためにも、自分ができる範囲を少しでも広げられる余地があるか考える必要がある。

なぜなら、今まで携わって来たお仕事や役割とピッタリ同じの仕事はないからである。
違う環境であなたがどこまでどう適応できるのか、その幅をスキル棚卸をしながら、自分なりに見極める(+こころ積もりする)のである。

長くこの分野で経験を積んできていることは、あなたの価値のあかし

シニアの方々は、長い経験を積んできている。長くこの世界で経験を続けられたということはあなたのスキルや経験に何等かの価値があったからだと思う。その価値は、他の会社でも活かすことが可能だろう。

あなたのスキルや経験を評価するのは、あなたではなく、雇用する会社である。
そのために、自分のスキルや経験を「ちゃんと」自信をもって説明することが必要である。
コアスキルとともにどこまで適用力を発揮できるのか、したいと思っているのか、こうした棚卸をして、第2の就職活動に臨めばいい結果が返ってくると信じている

シニアエンジニアの合否を分けるものとは(パート2)

シニアのエンジニアに案件を紹介し、職歴表を送り、シニアのエンジニアに案件を紹介し、職歴表を送り、無事年齢のハードルを超えた後に待っているのは、契約先、顧客先との面談だ。
6月号のブログで、面談で「しゃれっけ」「ちゃめっけ」といった「人間力」を出すことが大事という話をしたが、今回その第2段である。

1.面談の準備をされる方がほぼいらっしゃらない。

シニアで、採用面談までいった方を何名もご支援させていただいるが、面談に対して事前に想定問答考えたり、準備されている方が殆どいらっしゃらないことに気がついた。
つわものだと、なんの案件なのか確認しないで面談に来られる方もいらっしゃる。
ある意味”慣れているせいなのだろうか?”その場のアドリブで”なんとかなるだろう”もしくは、あまり意識しないで面談に臨まれる方があまりにも多い。最終クリアのラインなのに。

2.エンジニアとしては経験豊富だが、面談は素人

何人も面談に付き添うと、面談が得意な人と上手くない方がやはりいらっしゃる。
・面談当日で緊張して声が震えてしまう人
・今回の案件で求められているスキルの内容ではなく、自分の関わったプロジェクトの裏話を延々とする方
・相手の質問への回答に迷うと、無反応になる方
・スキルの内容を質問されているのに、腕組みしながらしぶしぶ回答する人

皆、実在の人物である。しかもエンジニアとしても人間としても経験豊富な50代、60代の方々である。

普段は、雑談としてしてなら通用する場面や話でも、面談でこうなると採用されるのは難しくなる。

面談で職歴表を自らしゃべるにあたり、案件で求められている経験と関係ないプロジェクト話を延々聞かされるのも(面接する方にとっても、横にいる私にとっても)つらいものである。


仕事の経験は豊富なシニアでも、自分のスキルや人間力を場に応じて表現することに関しては素人なのである。

案件引手あまたなら何も言うまい。年齢ハードルを超え、面談までいける案件は現状では貴重なのだ。だからこそ、最終面談をクリアできるよう、準備をすることが必要なのだ。
皆、学生のときは、面談受ける前に、相手企業のことを調べたり、想定問答考えたり、アピールの仕方を考えたりしたのに人生30年も過ぎると初心は忘れてしまうようだ。

ちなみに弊社では、面談ある場合は、事前面談を必ずさせて頂いている。これは、過去上記のような失敗事例があったからだ。スキルがあるのにもったいないと思い、(本人にとっても面倒であるが、)やらさせていただいている。

3.重要なのは、面談本番よりも、その前の準備

今、高校野球のシーズンだ。暑い中、高校生が白球を追う姿にこちらも感動するが、球児達のあの姿は、長い間の練習の積み重ねの賜物だ。
本番で力を発揮するにはその前の準備、練習が大切なのだ。面談も同じである。

面接の心得をわたしなりにまとめてみた。
1.事前の情報収集はしっかりと。
今回の案件で求められているスキル・経験はなにか。それに当てはまる自分の経験はどれか、焦点を決めておきましょう。経歴が豊富な分、しゃべれるプロジェクトは山ほどあるでしょう。今回の案件と関係ない案件は、質問があった際に答えるぐらいでいいでしょう。

2.いくつかの想定問答を考えときましょう。
あわせて、今回のスキルに関する想定問答を考えておきましょう。言語であれば、生産性だったり、環境であれば、ミドルやツールの経験等スキル・経験に対しての想定問答を考えておきましょう。またシニアの方は健康、介護や残業可否等聞かれることがあるので、自分なりの回答を用意しておきましょう。

3.相手の質問に沿って簡潔に話をする。
面接は、自分のアピールする場であり、「自分の話をする」場ではありません。キャッチボールになるように、相手の質問、意図を聞いて、簡潔に話をしましょう。ネタがある分、話がどうしても長くなります。質問、意図に関連ない話はなるべくしないようにしましょう。

4.ポジティブな姿勢で臨む!
中には、自分のできる範囲をかなり絞り込んでそれ以外はできませんと回答される方もいらっしゃる。奥ゆかしくていいのですが、奥ゆかしさで合格することはない。なるべく否定せずに、こんな範囲だったら出来る等、ポジティブに回答したほうがいいと思う。もちろん「笑顔」も必要です。面談で見たいのは、スキルや経験もそうであるが、「プロジェクトを一緒にしたい人」かどうかだからだ。

こういう話をすると、「媚売るのか」みたいに思われる方もおられます。決して媚や、うそをつけと言っているわけではなく、「自分をちゃんと評価されるように、表現できていますか?」という問いかけなのです。
重要なのは、表現できているか決めるのは、本人ではなく、面談している相手側だということだ。もし、経験と求められるスキルがあっているのに面談通らないという場合は、「評価されるように表現できていいない」可能性があるのだ。

4.面談のヒット率をあげろ。そのネタはすでにいっぱい持っている!

シニアにとって、年齢ハードルを越えて面談までいけるのは貴重である。
若い人と同じように”数打ちゃ当たる”方式は取れない。
職歴表審査でクリアして面談に行けるのであれば、シニアは面談でのヒット率をあげるべきだ。
経験はいっぱいあるし、数多くの修羅場をくぐってきています。
スキルをアピールできる引き出しはすでにもっているのだ。
あとは、それぞれの案件で、何をどう説明するかだけだ。

面談のヒット率を上げられるよう、是非、準備と対策をして臨んでいただければと思う。