人材探しで悩む先輩が後輩から職歴表を渡され、そんないい人材いないだろうと期待なく職歴表を見ると、
あれ、これもこれも「こんな優秀な人材どこで集めて来たの!」というよく流れているTVCM。
CMでは、ここで会社名を皆で言うのだが、
私は、「その職歴表盛られていませんか?」と言ってしまう。
シニアのエンジニアという人材マーケットの中でも年齢バーがある厳しめの市場に事業を進めているので、
弊社にも職歴を操作したり、年齢を下げて記載してこられる方がいるのも事実だ。
ある候補者と面談したときに、「盛るのが普通では」とおっしゃる方もいらっしゃった。
(その方は盛ってなかったようだが・・・)
エージェントの中にも、そうした行為を薦めていたり、年齢を下げて提出する会社さんもいらっしゃるので、本人もそれに慣れているのかも知れない。
弊社は、60代の方も対象としているので、年齢を下げれば入れそうという誘惑にかられるが、年齢名目上、下げて入れても、”シニアの活用”という観点では意味がないこと、ひとつ不正を行うと、職歴自体いくらでも変えてしまえることになるので、弊社では、本人から出された職歴表の内容そのものを変えることはしていない。
職歴表出すのであれば、通るようになるべくカッコよく出したくなるのは、気持ちとしてはわからないでもない。
問題は、盛るの積み重ねによって、スキルがないのに、スキルあるように見えてしまうこと。
(見せているんでしょうけど・・)
職歴の盛りがデキル範囲を拡大していく。
本人はもちろん盛っていることを言えないし、(書いておいて)ここは難しいとも言えないので、そのまま提案・面談となり(下手すると)合格となったりする。
でもいざプロジェクトに入ってみて、実際のもっているスキルが発言と合わなく、短期で契約解除となってしまう。
本人としてはもしかして短期狙いでギリギリのところをいっているのかもしれないが、こうした行為を続けると商流がだんだん少なくなっていくので本人も不幸となる。
職歴の盛り方は、だいたいが、年齢下げてもってくる+職歴の月数のごまかし(延長)だ。
職歴の月数にしても、1か月で契約解除でも3、4ヶ月に伸ばせば、一応プロジェクトはこなしたと口上はできる。
特に、直近のプロジェクトの長さが評価されるので、直近1,2年のプロジェクトだけ非常にきれい(切れ目がなかったり、長かったり)だったりする。
こうした盛り方は、見極めにくい。年齢経験重ねている方は、しゃべりもうまいので、一筋縄ではいかない。
弊社でも、「盛った」職歴表もとに、現場にメンバを送り込んで、提示スキルがなかったという経験をしている。
さすがに、口頭面談だけで難しいし、そもそもスキルがあるかの見極めができればいいので、
COBOLとRPGについては、簡単なテストをすることとした。
一応職歴聞いて、スキルを確認した最後に、言語テストをして、言っていることの整合性を確認する位置づけだ。
30分もあれば、出来るテストであるが、いざ、現状現場に入ってるメンバにもやってもらっても、
突然テストをされると、なかなか正解できない。
毎日ソースを見ていても、仕事上はコピペを中心として作業している世界なので「命令文書いて」と言われると対応できないようだ。
しかしながら、面談で適用した事例では、テスト前は、出来ると言っていた範囲が、テストして、記載している部分の一部については、苦手と回答される方や、バージョンの違いによってわからないと言われたり、より正確に本人のスキル活用範囲の見極めに役立ってはいる。
このテストまだまだ試行錯誤しながらであるが、将来的には面談+スキルテストでスキルを自信をもって提案できるようにしていきたいと考えている。
また、プロジェクト案件における現状ある年齢バーについても、スキルを測ることができれば中身で応募できるようになっていってもらえれるのではないかと考えている。
会社で長く務めあげ定年を迎えた今、これから第2章として、自分で人生を切り拓いていく立場となり、次の仕事を探し始める。
でも、お仕事探す前に”自分の強み”を認識していますか。そして、自分の強みを自信をもって語れますか?
様々なシニアのエンジニアの方と面談させて頂いているが、面談の時に気になるのは、大枠自分のスキルの売りは認識していても、職歴を細かく聞いたり、案件の例を示して、こんな仕事のイメージですかとスキルを具体的に確認していくと、”これはできない”とか ”簡単なことしかしてないので”という感じで できないことのオンパレードになってくる。
どこか得意なことないですかと確認すると、”自分は大したことしていないので” と言われてします。
聞いているほうは、おいおい、一体あなたは何ができるんですか?と質問したくなる。
SEは仕事の上でもリスク計算をしがちだ。
私も若いころ、提案書に、機能と費用見積もり記載した下に、これこれは対象外ですという対象外条項
を大量に記載したことがある。提案書を見たお客様に「逆に何をしてくれるの」と言われ、自分で読み返してみて、実施することは殆ど記載していないことに気が付いた。
スキルの棚卸においても、どうしてもリスク回避のクセから、できないこと→ネガティブの方向に言ってしまうのではないか。
エンジニアはシニアと言えども、スキル重視であり、シニアだからこそ経験重視でもある。
だからこそ、自分のスキルや経験を「ちゃんと」説明できることが重要なのである。
誰も、「できないこと」にお金を払う人はいない。
あなたが「できる」ことにお金を払うのだ。
でも、そんなことは言っても、自分のスキルは大したことないとお思いのあなた。
あなたのスキルが「大したことないのか」「価値のないものなのか」を決めるのはあなた自身ではなく、お金を払ってくれるお客様だ。
だからこそ、自分のスキルの棚卸が必要なのだ。
何か出来て、何が得意なのか。自分が提供できる価値は何なのか。
そしてこのスキルの棚卸で重要なのは、
・できないことではなく、できることを中心に深堀する。(引き算でなくて、足し算で考える)
・できる、できないは1か0で考えない。
できる、できないの区別ではなく、コアのスキル、まわりはどの範囲までできるのか、どうフォローされればできるのか、できるかも知れないのか、コアスキルをベースにスキルを広げて考えることが必要だ。
たとえば、設計は得意だけど、構築は難しいということであれば、設定については最初フォローをもらえればとかリーディング難しければ、まわりにこういう人間いればできる等、なんらかのサポートがもらえればできるところも出てくるだろう。
そもそも、一人でやるプロジェクトはないのだから、うまく役割分担できればいい。
その役割分担をスムーズにするためにも、自分ができる範囲を少しでも広げられる余地があるか考える必要がある。
なぜなら、今まで携わって来たお仕事や役割とピッタリ同じの仕事はないからである。
違う環境であなたがどこまでどう適応できるのか、その幅をスキル棚卸をしながら、自分なりに見極める(+こころ積もりする)のである。
シニアの方々は、長い経験を積んできている。長くこの世界で経験を続けられたということはあなたのスキルや経験に何等かの価値があったからだと思う。その価値は、他の会社でも活かすことが可能だろう。
あなたのスキルや経験を評価するのは、あなたではなく、雇用する会社である。
そのために、自分のスキルや経験を「ちゃんと」自信をもって説明することが必要である。
コアスキルとともにどこまで適用力を発揮できるのか、したいと思っているのか、こうした棚卸をして、第2の就職活動に臨めばいい結果が返ってくると信じている
シニアのエンジニアに案件を紹介し、職歴表を送り、シニアのエンジニアに案件を紹介し、職歴表を送り、無事年齢のハードルを超えた後に待っているのは、契約先、顧客先との面談だ。
6月号のブログで、面談で「しゃれっけ」「ちゃめっけ」といった「人間力」を出すことが大事という話をしたが、今回その第2段である。
シニアで、採用面談までいった方を何名もご支援させていただいるが、面談に対して事前に想定問答考えたり、準備されている方が殆どいらっしゃらないことに気がついた。
つわものだと、なんの案件なのか確認しないで面談に来られる方もいらっしゃる。
ある意味”慣れているせいなのだろうか?”その場のアドリブで”なんとかなるだろう”もしくは、あまり意識しないで面談に臨まれる方があまりにも多い。最終クリアのラインなのに。
何人も面談に付き添うと、面談が得意な人と上手くない方がやはりいらっしゃる。
・面談当日で緊張して声が震えてしまう人
・今回の案件で求められているスキルの内容ではなく、自分の関わったプロジェクトの裏話を延々とする方
・相手の質問への回答に迷うと、無反応になる方
・スキルの内容を質問されているのに、腕組みしながらしぶしぶ回答する人
皆、実在の人物である。しかもエンジニアとしても人間としても経験豊富な50代、60代の方々である。
普段は、雑談としてしてなら通用する場面や話でも、面談でこうなると採用されるのは難しくなる。
面談で職歴表を自らしゃべるにあたり、案件で求められている経験と関係ないプロジェクト話を延々聞かされるのも(面接する方にとっても、横にいる私にとっても)つらいものである。
仕事の経験は豊富なシニアでも、自分のスキルや人間力を場に応じて表現することに関しては素人なのである。
案件引手あまたなら何も言うまい。年齢ハードルを超え、面談までいける案件は現状では貴重なのだ。だからこそ、最終面談をクリアできるよう、準備をすることが必要なのだ。
皆、学生のときは、面談受ける前に、相手企業のことを調べたり、想定問答考えたり、アピールの仕方を考えたりしたのに人生30年も過ぎると初心は忘れてしまうようだ。
ちなみに弊社では、面談ある場合は、事前面談を必ずさせて頂いている。これは、過去上記のような失敗事例があったからだ。スキルがあるのにもったいないと思い、(本人にとっても面倒であるが、)やらさせていただいている。
今、高校野球のシーズンだ。暑い中、高校生が白球を追う姿にこちらも感動するが、球児達のあの姿は、長い間の練習の積み重ねの賜物だ。
本番で力を発揮するにはその前の準備、練習が大切なのだ。面談も同じである。
面接の心得をわたしなりにまとめてみた。
1.事前の情報収集はしっかりと。
今回の案件で求められているスキル・経験はなにか。それに当てはまる自分の経験はどれか、焦点を決めておきましょう。経歴が豊富な分、しゃべれるプロジェクトは山ほどあるでしょう。今回の案件と関係ない案件は、質問があった際に答えるぐらいでいいでしょう。
2.いくつかの想定問答を考えときましょう。
あわせて、今回のスキルに関する想定問答を考えておきましょう。言語であれば、生産性だったり、環境であれば、ミドルやツールの経験等スキル・経験に対しての想定問答を考えておきましょう。またシニアの方は健康、介護や残業可否等聞かれることがあるので、自分なりの回答を用意しておきましょう。
3.相手の質問に沿って簡潔に話をする。
面接は、自分のアピールする場であり、「自分の話をする」場ではありません。キャッチボールになるように、相手の質問、意図を聞いて、簡潔に話をしましょう。ネタがある分、話がどうしても長くなります。質問、意図に関連ない話はなるべくしないようにしましょう。
4.ポジティブな姿勢で臨む!
中には、自分のできる範囲をかなり絞り込んでそれ以外はできませんと回答される方もいらっしゃる。奥ゆかしくていいのですが、奥ゆかしさで合格することはない。なるべく否定せずに、こんな範囲だったら出来る等、ポジティブに回答したほうがいいと思う。もちろん「笑顔」も必要です。面談で見たいのは、スキルや経験もそうであるが、「プロジェクトを一緒にしたい人」かどうかだからだ。
こういう話をすると、「媚売るのか」みたいに思われる方もおられます。決して媚や、うそをつけと言っているわけではなく、「自分をちゃんと評価されるように、表現できていますか?」という問いかけなのです。
重要なのは、表現できているか決めるのは、本人ではなく、面談している相手側だということだ。もし、経験と求められるスキルがあっているのに面談通らないという場合は、「評価されるように表現できていいない」可能性があるのだ。
シニアにとって、年齢ハードルを越えて面談までいけるのは貴重である。
若い人と同じように”数打ちゃ当たる”方式は取れない。
職歴表審査でクリアして面談に行けるのであれば、シニアは面談でのヒット率をあげるべきだ。
経験はいっぱいあるし、数多くの修羅場をくぐってきています。
スキルをアピールできる引き出しはすでにもっているのだ。
あとは、それぞれの案件で、何をどう説明するかだけだ。
面談のヒット率を上げられるよう、是非、準備と対策をして臨んでいただければと思う。