前回2021年度の案件状況を2020年度と比較し、件数として回復傾向にあること、その中でJava案件の
延びが大きいことが解りました。(前回ブログ)今回は、2021年度のCOBOL案件や、インフラ・基盤、PMO案件の傾向をまとめてみたいと思います。なお、毎度のことですが、あくまでも弊社に来る案件を基にまとめたものであり、規模的には小さいので、一つの例、状態としてこんなことが起きていると見て頂ければ幸いです。
COBOL案件の年齢条件の変化を分類してみました。2019年から2022年1月~3月期を比較してみると、
年齢割合は大きくは変化していないように見えます。年齢条件記載無し案件の比率は増えてはいますが、30代40代+年齢記載なしと50代~65才までの案件数割合は、少しづつ50代以降の比率が少なくなってきており、コロナを乗り越えた後に、年齢制限が大きく緩和される状況になるということは現状なさそうです。
やはりこうした制限を超えていくには、スキル、経験が特殊(アセンブラ、特殊言語)であったり、
深さ(例えばOS系やツール系のスキル、業務・上流系)、過去従事プロジェクトの長さ等が重視されてくると思われます。
弊社に来る件数の2割を占めるのが基盤系の案件。件数も年々延びているので、その中でクラウド指定がどれほどあるのか調べてみると、AWSが55%、Azureが25%、GCPの割合となってきています。
OSで見るとLinuxが7割、Windowsが3割という比率となっています。
クラウド別OSで見ると、AWSではLinuxが8割の比率となっているのに対して、逆にAzureでは7割がWindowsとなり提供元の特徴が顕著に出ている結果となりました。
やはりクラウドを選択する際においてもOffice365等MS製品の親和性を優先しているのかも知れません。今後インフラ基盤技術でアピール目指す方は、LinuxメインであればAWSのサービス、WindowsであればAzureのサービススキルを身に着けると、よりスキルアピール度が高くなると言えるかも知れません。
PMO案件についても1割強を占めるので、どのような役割が求められるか分類してみました。年齢を重ね、開発現場から管理をメインでされていた方は、PMOでの案件要望となりますが、PMOに求められる役割も非常に幅が広い。PMのお手伝いで議事録書き等から、基盤や開発の支援、その上流をつかさどるもの、コンサル的に立ち回るものまで、求められるスキルもかなり多様です。
そこで、PMOとしてどんなスキルが求められているかを調べてみましたた。
2021年の案件を見ると工程管理、進捗管理、品質管理、ファシリテーション等の分野は、1割強。顧客の業務や、プロセスフロー等業務系が求められているPMO案件が社員代替も含めて5割を占めています。その他、開発技術(例:ソースレビューや、フレームワーク技術)や基盤技術(例:クラウド技術)等自らは”手を動かさない”けれども技術的支援を担う案件も3割強あり、PMOとしてのみ専門で来た方より、今まで設計や開発、基盤構築等を経験した方がPMOとしてプロジェクトを引っ張って行く、そんなPMOが今求められていると言えます。
以上2021年度の案件を分析して来ました。コロナで一時期大きく案件件数の変動はありましたが、コロナを経て大きなトレンドに変更はないまま、件数的にはコロナ前に戻って来た状況にあるようです。また定期的に件数変動等分析していきたいと思います。
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要約
・案件は回復基調である。
・案件種別での構成比は大きな変化は認められない
・月別にみるとJavaの案件の延びは大きくなっている
コロナによる制限が解除され、少しづつ街中に人が戻り、通勤電車もすこしづつ混み始めている。
前々回(2020年5月)のブログにて、2020年の案件状況について
「3月,4月,5月と案件件数が落ちてきて5月は1月の6割ベースの件数となり厳しい状況である」と記載した。それから1年経過し、コロナが収束しつつある今の案件状況はどうなっているのか、見てみたい。
いつもどおり、これから述べる案件状況は、あくまでも弊社に来る案件を基にまとめたものであり、
規模的には小さいので、一つの例、状態としてこんなことが起きていると見て頂ければ幸いである。
月別案件数の推移を見てみる。2020年4月の案件数=1として、2020年度と2021年度を比較すると
2021年度は全体で3割ほど増えてきている。
さらに年度後半に向かって延びが拡大していく傾向である。
案件数は、厳しい状況を少しづつ脱してきて、拡大基調にあるように見える。
案件数は拡大基調として、案件種別の変化はあるのだろうか。構成比を比較してみた。
年度ごとに比較すると、大きな変化は見られないようだ。
Javaが3割、インフラ・基盤が2割弱、PMO等が1割、js,C#,Python,スマホ開発と続いている。
それぞれ少しづつ年度間での変動はあるが1~2%の範囲にとどまっている。
DX,AI等新たなテーマが出てきているが、案件の構成比を大幅に変更を与えるほどの
インパクトはまだ出ていないようだ。
(もしかしたらこの傾向は、お取引させて頂いている会社様の担当分野に依るところが大きいのかも。)
構成比を年平均すると変化はないが、月別での延びはどうなのだろうか。
案件の延びと規模を表現するために2021年4月のJava件数=1として、
各種別の月別案件変化率を見てみた。
各種2022年3月に向けて延ばしているが、やはりJavaが大きく延ばしているように見える。
構成比が一番高いJavaの案件がいち早く復活基調にあるのかも知れない。
今回は、コロナの収束を迎えて今、システム案件の状況がどのようになっているのかを分析してみた。
次回は、COBOL案件の状況や、インフラ、PMO等の2021年度傾向を調べてみたい。
コロナが起きてすでに10ヶ月以上過ぎ、状況は持ち直す暇を与えず、年末を迎えてさらに第3波が来ている。
どこまでこの影響に引きずられるのであろうか。一体元に戻るのはいつになることなのだろうか。
現在の案件状況がどうなっているのか現状でも聞かれることが多いので、10月末時点での案件状況をまとめてみた。
いつもどおり、これから述べる案件の状況は、あくまでも弊社に来る案件をもとにまとめたものであり、
規模的には小さいので、一つの例、状態としてこんなことが起きていると見て頂ければ幸いである。
また、前回のブログ「コロナによる人材ニーズの影響とアフターコロナを生き抜くために」のつづきとして
前回は2020年1月~5月までの推移を記載したので、また半年過ぎてどう変わったのか述べてみたいと思う。
全体の案件件数を今年1月時点から推移を見てみると、5月に7割弱まで落ち込んだものの現状は回復して来ており、
全体件数としては、1月の案件件数を超えてきている。
ただ言語別にみると、回復の仕方に強弱が見られる。Javaやインフラ・基盤、Python等の案件数は、回復し、かつ
延ばしているが、COBOLや、VBといった言語はまだ6割程度の戻りだ。
言語で分類するとやはりレガシィ系の案件数は抑制されたままだと言える。
なお、グラフは2020年1月のそれぞれの案件数を1とした場合の推移で、案件数の規模(数)は表現されていない。
実際の案件の構成はJAVAが圧倒的に多く40%、基盤25%、スマホ、Python等その他オープン言語で30%、
レガシィ系は5%弱だ。
(グラフ上で上下変動が大きい言語は、件数が少ないため揺れ幅が大きく出がちとお考え下さい。)
弊社で担当数が多いCOBOLは、数字上は6割程度戻って来ているが、肌感覚的には全然戻って来ていない、
それは、同時に年齢シフトが起きているからだ。
グラフで見てみよう。
30代、40代の案件が昨年同時期に比べて昨年10月は3割だったものが現状6割を占める形になってきている。
また年齢指定なし案件が10%切ってきており、ほぼすべての案件で年齢条件が付くようになってきている。
(年齢指定なし案件は案件情報上年齢条件が載っていないだけで、年齢不問ということではないが、
多くの会社、今まで特に年齢条件記載しなかった会社や案件で年齢条件が付いてきているということだ。)
年齢条件がコロナ前と比べ10歳、15歳ぐらい若くなりかつ条件が厳しくなった感がある。
これは少ない案件に多くの希望者が殺到して、選考上条件が厳しく(せざるおえない?)なってきているということだろう。
私の想定は、もっとゆっくり年齢シフトが起きると想像していたが、コロナで急激にシフトが起きてしまった。
COBOLを主戦場として来た世代からすると本当に厳しい状況が続いている。
こんな中で、年齢を超えて応募できる案件はどんなものなのか?
年齢不問の案件を調べてみると、COBOLのスキルだけでなく、同一業務の経験や上流設計経験(業務スキル)や
アセンブラといった特殊言語スキル、システム関連スキル等、COBOL+αが求められている。
今までのように工程を細かく分割し、詳細設計以降の経験で仕事を探しても現状では非常に難しい。
案件の量があった時代ならともかく、量がない現状で詳細設計以降のコーダのみでは競争が厳しく、
若手に仕事がいってしまう。
逆に+αがあって、Performanceが高ければ、現状でも65歳以上の方でも呼ばれて従事されている方もいる。
多分、今までは案件が豊富にあったので、現在従事している仕事が合わなくても「次があるだろう」的な
感覚になっている場合もあるだろうが、現状では、パフォーマンスを出して、顧客から呼ばれるエンジニアに
ならないと市況を超えて続けることは難しい。
従事している今の現場を大切にして初めて次があるのかも知れない。
COBOL等レガシィ言語については今だ厳しい状況が続いているが、案件はタイミングなので、
自分の強みを見つけて、それに合った案件にアプローチしていけば先に光は見えるかも知れない。
4月に始まった国の緊急事態制限も解除され、「あたらしい生活様式」のもと、段階的にすこしづつ緩和され始めていく状況にある。では、今回コロナでシステム案件に実際どのような影響が出ているのか具体的に調べてみた。(なお、下記案件の状況は、弊社に来る案件をもとにまとめたもので規模的には小さいので、一つの例、状態としてこんなことが起きていると見て頂ければ幸いである。)