定年を今までの65歳から70歳にあげる企業が増えてきている。
ニュースとしても明治安田生命やニトリ等いくつかの企業で変えていくらしい。
https://www.rodo.co.jp/news/179835/
これは「改正高年齢者雇用安定法」施行で70歳までの雇用を企業の努力義務
としたことへの対応で、現在70歳までの継続雇用制度を設けている企業は、
大手で3割弱、中小で2割ほどになっている。(参照 図表1)
定年を上げたり、シニア雇用を継続していく流れは「人生100年時代」・
少子高齢化社会の中で就業人口を確保するためにも、いい効果をもたらすのだと思う。
今後多くの企業が70歳までの就業機会を広げていくと、文字通り「終身」雇用が
実質復活してきているのではないかという気さえしてくる。
しかしながら数年前、ある企業トップは
「今の日本をみていると、雇用をずっと続けている企業へのインセンティブがあまりない」と
終身雇用制度は難しいと言っていました。この企業トップが言うと影響力大きいなと当時感じました。
経済団体の代表も呼応して
「企業からみると(従業員を)一生雇い続ける保証書を持っているわけではない」
と言っていました。
https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00002/051400346/
またいくつかの大企業ではリストラを大々的にしてきた時期もあります。
https://www.tsr-net.co.jp/data/detail/1198893_1527.html
数年前まで、終身雇用は難しいと言っていた企業群が、今は、シニアの雇用確保に動いている。
労働人口減少という長期的なトレンドは過去から変わらないのに、なぜ数年たつとトレンド?が
逆になっていくのでしょうか。そしてこのトレンドは未来永劫続いていくのでしょうか
終身雇用が難しいう発言や、大手企業でのリストラが起きていたのは、
2018年~2020年という時期でした。
図表2に、企業収益の推移及び大手企業の希望退職者数の推移を載せています。
2018年からの3年間は、リーマンショック(2009年)から次第に立ち直って来た
企業収益がガクッと落ちた時期です。
消費増税(2019年)、米中貿易戦争(2018年~)、コロナ(2020年)等経済の先行き
が不安な時期に、経営者からの「終身雇用」に関する否定的な発言や、
希望退職をはじめとしたリストラが行われたと言えると思います。
でも2021年からの3年間、コロナも収束、円安効果もあり、
企業収益は上がり続け好調な状態にあります。
そのため企業は今、積極的な賃上げや、雇用機会の創出に力を入れ、
いい人材をとろうとしています。
国は、
・「高年齢者雇用安定法」改正(2013年)で65歳までの定年延長を企業に義務付け、
・「改正高年齢者雇用安定法」施行(2021年)にて70歳までの就業機会の確保を
「努力義務」としてきました。
国は就業人口が減ってくる中で、なんとか年金制度や医療費の負担を軽減し、
社会の持続可能性を確保していくため、高齢者が生涯現役で働き続けられる環境を整備したいと
一環して考えているように思います。
国の施策の中で、経済状況の好況も相まって、今は、定年延長企業が増えたり、
70歳まで働ける環境を整備している環境を作る企業が増えてきているのではないでしょうか。
70歳まで働ける環境を作る企業は今後もどんどん増えていくのでしょうか?
少子高齢化のトレンドは変わらないので、今後もこの流れは変わらないと思います。
しかしながら、この「定年延長」の流れは必ずしも「終身雇用」の復活とはならないと思われます。
そもそも終身雇用とは、その会社に就職したら、会社が経営悪化しない限り、退職勧奨を受けない、
定年まで勤められる状況のことですが、
雇用継続制度の運用は企業によって異なってきます。
例えば、すべての社員を一律に雇用延長するのではなく、
個々の従業員のスキルやパフォーマンスに基づき選別するような条件がある場合が多いですし(図表3)、
再雇用後の待遇は個別に決められるケースもあり、継続雇用の実質は企業により変動があります。
定年延長・雇用継続する制度を持つ企業が増えるというのは高齢者にとって、
いい状況に変わってきているとは言えます。
但し運用は企業の考えや、経済状況によって変わる可能性もあります。
事実2024年度の上場企業の早期・希望退職者数は、23年度の倍に増加しています。
ですから定年延長の流れは決して制度としての「終身雇用」の復活ではありません。
企業の選別に値し、や再訓練に前向きな人が、再雇用可能性が高いということでもあり、
いくつになっても、競争力、コンピテンシーを磨いていくことが求められている、
制度的には機会が増えても、そこは変わらないと言えるでしょう。
参考
図表1: 図表3:労政時報 第4073号(2024年3月8日号)
WEBアンケート:労政時報定期購読者より回答の
あった277社を対象
図表2:法人企業統計調査(e-stat)より抽出
対象は資本金~5億迄確率統計抽出5億以上の企業:全数抽出
なお、金融業、保険業は対象外
上場企業「早期・希望退職状況」東京商工リサーチ
https://www.tsr-net.co.jp/data/detail/1198893_1527.html
希望・早期退職募集の具体的な内容を確認できた上場企業を対象に集計
ミドル・シニアのSEに仕事を紹介をしてきて、やはりレガシィ案件の傾向は気になるところ。
コロナ禍を過ぎて、ここ1年余りのCOBOL案件の変化がどうなっているのか調べてみました。
調べ方としては、過去分析してきた方法と同じで、
(1)弊社に来ている案件で、COBOL開発案件を対象(汎用機、オープン問わない)
(2)案件に記載のある年齢条件でも分類
をしてみました
2023年4月の案件数を1として、2023年1月~2024年4月までのCOBOL案件の件数推移をグラフ化してみました。(図1)
月ごとに件数変動はありますが、近似曲線を描かせると、暫時低減傾向にあり、2023年4月と2024年4月の件数を比較すると2割ほど減ってきています。
やはりCOBOLでの開発数は確実に減ってきているようです。
汎用機の開発を停止していくベンダーの動きもある中で、COBOL資産のさらなる追加や改修は必要最小限に
抑えたいところではないでしょうか。特に国産ベンダーの顧客はマイグレをどうするのかというところに焦点が移っているような気もします。
同時に2024年の1月-3月期案件における、年齢条件等に変化はあるのか
こちらは、2019年からの傾向も合わせて比較してみました。(図2)
なお年齢分類は下記5分類でまとめています。
・40代までの年齢制限記載があるもの(30代まで、20代までの制限もこちらに含む)
・50代前半までの〃
・50代後半までの〃
・60代前半までの〃
・年齢制限記載がない案件
記載がない案件というのは、年齢不問という意味ではなく、単純に案件に年齢記載がない案件を数えています。
2024年1月ー3月期を分類してみると、”年齢条件記載無し”が6割近くを占め、50代後半まで(16%)、50代前半まで(12%)、30代、40代迄(11%)、60代前半まで(10%)という割合順になっています。
2019年からの傾向で見ると、
・年齢記載無しの案件が増える傾向にあること、
・必ずしも30代、40代条件が増えているわけでもない
ことが解ります。
年齢条件よりは、スキルや人間性というところに重きが置かれているのかも知れませんし、永続的にCOBOLを使っていく、そのために若手がほしいという顧客が少なくなってきていることの裏返しかもしれません。
案件が少なくなっている中で、ベテランのCOBOL人口は増え続けていると思います。
そんな中で、COBOL言語で開発ができる以外に、どういう+αを持っていて,アピールできるかが案件に参加するうえで、重要な要素になってくるのではないでしょうか。
自分の得意分野や、ある意味不得意分野の濃淡をつけて、それにマッチした案件でアピールしていくことが、今後も求められていくのではないかと思います。
永く開発をしてきた方には何かしら得意分野があるはずです。案件に応募する前に、今一度自分の強みは何かと問いかけてみてはいかがでしょうか。
Yahooニュースを見ていたら、この30年で「ひとりでいるほうが好き」の割合が「みんなでいるほうが好き」を逆転したらしい。
この調査は、博報堂生活総合研究所が首都圏の1200名の25~39歳の男女を対象に行っており、1993年の調査から+12.8%増加して56.3%の人が「ひとりでいるほうが好き」と答えている。
世の中はすこしずつ、ひとりが好きが増えているのか。
そう思うと、ぼっちキャンプや孤独のグルメとかソロで楽しむ番組もいくつかあり、
世の中的にはソロ化社会がどんどん進んでいるようである。
一方で、イギリスや、日本には孤独担当相というものもでき、孤立・孤独がひとつの社会問題として捉えられている。
世の中だんだんひとりで楽しむ世界が広がる一方で、社会問題として捉えられ、(政治)制度的な対処が必要という状況で、孤独をめぐる2面性はどういうことなのか。
また中高年のひきこもりとか孤独死とか特に中高年については、孤独感が強く寂しい感じで語られることも多いので、今回は孤独とは何なのかを学んでみたい。
イギリスの調査では孤独で生じる経済的損失は、約4.8兆円にも達するらしい。
孤独感が病気を引き起こし、医療費の増大や、孤独感体調不良で生産性の低下をもたらしたりと、
孤独は社会的損失を伴うものと捉えられている。
日本でも、孤立対策推進法の趣旨には、「近時における社会の変化を踏まえ、日常生活若しくは社会生活において孤独を覚えることにより、又は社会から孤立していることにより心身に有害な影響を受けている状態にある者への支援等に関する取組」と記載があり、
心身に有害な影響=健康問題のひとつとして国として取り組んでいく必要性を唱えている。
孤独・孤独感はそもそもひとりひとりの感情にもとづくものなのだが、実際健康に害を及ぼし、その影響で生産性や、引きこもり、いじめ、自殺といった問題を引き起こし、社会的損失を生み出す。
特にコロナにより、ここ数年間人との接触をなるべく減らす期間が続いたため、より孤独感を感ずることが多くなって来た、社会的影響が出てきたということだと思える。
コロナ禍が残した災いのひとつが孤独感であり、今しきりに孤独が取り上げられる理由もそこにある。
特にシニアは死別、離別、退職等による社会からの孤立等外部との交流が少なくなり孤独を感じる状況に陥りやすい
と言われてきている。孤独=シニアの課題のひとつみたいに、孤独の代表層として言われることも多い。
では実態というのはどうなのか。ここに、内閣府の孤独・孤立対策を進める上での実態調査がある。
年齢16歳以上、住民基本台帳から無作為抽出した2万人を対象して令和4年に行われたもの。(回答数は、11218人)
年齢別孤独感を感じる割合を見ると、20歳~39歳の割合が高く、男女別では、男性では50-59歳、女性では30-39歳が最も多い。
調査統計的には、シニアに孤独感を感じやすいとうことはなさそうである。男女とも60歳を過ぎると孤独感を感じる割合がどんどん少なくなってきている。
孤立化が進みそうな年齢(例えば60代以降)になった=孤独感が増えるというわけでもなさそうだ。
孤独の科学においても、人は歳を取ればとるほど幸せに感じることのほうが多くなるらしい。
それは長年のうちにネガティブな刺激に対して鈍くなると同時に、残される時間が短いので、情緒的に満たされる人生の側面=人とのつながりに焦点を合わせられるかららしい。
統計からみても、ひとりでいること=孤独ではないようだ。それでは孤独とはいったいどういう状態なのか。
「孤独の科学」という本では、孤独感とは、特に社会的なつながりを修復するようにという単なる呼びかけ=自分への欲求だと述べている。
人間というのは、本来社会的動物であり、私達が互いに依存するのは心遣いや慰めのためではなく、生存そのもののためらしい。
孤独感とは生存本能から来る自分に対する欲求、つながりを求める欲求なのである。
その欲求に対しての強さの程度が、中堅層の孤独感の比率の高さを示してるのかも知れない。
孤独は生存本能から来る自らへの欲求と述べたが、孤独というのは実は歴史的な概念でもあるらしい。
大昔には孤独という概念がなかったというわけではなく、歴史的に孤独が強調されて来ているということだと思う。
戦後、血縁、地縁、会社縁といった伝統的つながりから個人主義への転換や、20世紀後半に広まった新自由主義は、
市場競争の奨励や個人の自己責任の強調、個人主義の強化や、非正規雇用等にみられる収入格差や社会的不平等の拡大をもたらした。こうした動きは、良い面ももたらしたのだろうが、悪い面として、孤立化を増やし孤独感を感じ易くしてきたともいえる。
本来は、こうした面は社会福祉政策としてサポートすべきなのかも知れないが、新自由主義はこうした福祉サポートを縮小する傾向にもある。
もちろん現代には、ネットという便利なツールもあり、SNSで容易につながることもできる。
しかしながら、孤独感があるときに必要なつながりとは、質が重要で、数ではない。
SNSは逆に、孤独を助長し、人々が実生活でつながるのを妨げると言われてもいる。
つながりを求めるとは言え、重要なのはあくまでも、つながりの「質」ということだ。
孤独は、必ずしも悪いことではないしポジティブな側面も持つ。
孤独は、自分の感情や価値観と向き合い、深い自己認識を得るための機会を提供したり、日常のストレスから離れてリフレッシュし、リラックスするための機会となる。この時間を使って趣味に没頭したり、自分の欲求にあったことを邪魔されずに追及できる。
でも、もし孤独感にさいなまれるようになった場合はどうすればいいのか?
「孤独の科学」では、孤独感は一生続くものではなく、社会的なつながりを修復するようにという単なる心の呼びかけ だとわかってしまえば対処は簡単だと述べている。
その対処とは、自分を満たそうとするのではなく、他人を満たそうとする力が必要だと続く。
他人に手を差し伸べ寛大な行為をする、他人に対して心を開き、役に立とうとするだけでよいと。
すこし「宗教的」にも感ずるが言い得て妙かなと思う。
重要なのは、孤独感とは、一生続く感情ではないこと。
逆説的なのだが、自分に対する欲求を満たすために、他人への手を差し伸べることが必要だということだ。
自分の存在の中核にぽっかり穴の開いたような感じ(いわば、満たしてやらなければならない飢え)を経験しているにもかかわらず、この飢えは、食べる行為に集中しても決して満たされない。こういうときは、自分のおかれている状況がもたらす痛みの外へしばらく出て、他者を満たす必要がある らしい。
どんな小さなことでも構わないから、他者に手を差し伸べてみることが自分の存在を認識して、孤独感を和らげるのかも知れない。
ただ、孤独の科学では同時に、ついつい相手を喜ばせようとする罠に陥るので自分が現実的にこなせる関係の種類と数を承知しておくことも必要だと説く。あくまでも必要なのは、つながりの「質」なのだ。
孤独の感じ方は、個人の感受性や置かれた立場、時期(ライフステージ)等で、大きく異なる。
孤独感を感ずるのは、社会的関係をもつ人間本来の欲求であり、正常な感情なのかもしれない。
だから、感じていることに不安を感じたり、パニックに陥ることなく、自分が何を欲しているのかを見つめ、
少しづつでも、どう他者との質のいい関係性(手をすこし差し伸べることでもいい)を作っていくか
トライしてみることなのかも知れない。
■参考資料
ヤフーニュース https://news.yahoo.co.jp/articles/286107653a444860840634f888547d2445bcc980
私たちはいつから「孤独」になったのか・・・フェイ・バウンド・アルバーティ/[著] — みすず書房
「孤独の科学」ジョン・T・カシオポ, ウィリアム・パトリック 他 河出文庫
内閣府 孤独・孤立の実態把握に関する全国調査
日本総研:エビデンスに基づく孤独・孤立政策に向けて
週刊東洋経済 2022年11月26日号
プレジデント 2024年2月16日号
年齢が50代後半、60代のエンジニアで、同じ会社に長く勤めされている方は、
年齢に伴う給与や雇用制度の見直し、もしくは会社からの肩たたきの動きもあり、
会社にこのまま残るべきか、辞めて、転職もしくは、個人事業主として働いていくべきか、
大いに迷うはずだ。特に今まで会社を移動する、辞めるという行為をしたことのない方
にとっては重大決断なのである。
最近、大手SIerの社員の方が面談に来られた。
年齢は60代前半、社員として30年以上働き、現状再雇用で働いている。
プロジェクトは、大手顧客で汎用機システムの開発保守を担当、
同じ顧客を長年担当しており、現状の仕事に不満を持っている様子もない、
会社から肩たたきにあう状況にも現状ないようだ。
なんでこんな方がと思い、最後に現状給与を聞いてみて
初めて辞めたいと言っている原因が理解できた。
システム開発者としてはあまりにも低い時給だったからだ。
確かに、同じ仕事なのに、給与が年齢で突然低くなるという状況で、今のままでいいのか、
辞めるか迷っている方もいらっしゃると思う。
そこでどう考えるべきか、どう準備すべきなのか少し考えてみたい。
レガシィ系の案件でシステム開発を担ってきた、60才前半ぐらいのSEをイメージして考えてみる。
考えられる選択枝は一般的に下記の5つぐらいであろうか。
このうち、4,5は私がアドバイスをすることでもないので1-3までで考えたいと思う。
1.会社にこのまま残る
2.会社が契約している人材会社さんから、紹介をもらう
3.個人事業主として独立する
4.システムとは別の仕事をする(NPOとか)
5.仕事をしないで、自分の趣味を追求する
まずは、1-3までのメリット、デメリットを簡単にまとめてみた。
1.現状の会社に残る
メリット
・収入が安定している。現状の福利厚生もそのまま
・現状の人間関係やルールはそのまま
・使うスキルもそのまま、新たに学ぶ必要性は低い
デメリット
・給与は低いままで抑えられる
・長く残れるかは会社次第になる
・会社都合で人事異動もあり
2.会社が契約している人材会社さんに紹介をもらう
メリット
・会社のブランドに基づいて紹介されるので案件の質が確保される
・給与等の待遇が現状より高い可能性もある
・新たなことにチャレンジできる可能性もある
デメリット
・新しい環境や仕事に慣れるため労力と時間がかかる
・長くできるかどうかは、転職先の会社次第
・会社が契約している人材会社であれば会社に知られる事が前提
3.個人事業主として独立
メリット
・給与は高くなる可能性大
・自分の意にそぐわないプロジェクト参加は少ないし、途中で辞めることも可能
・新しい環境、文化で違ったやり方、価値観を学べる。
デメリット
・あなたのスキル・経験を知らない初見の顧客に売り込まないといけない
・長く続くかはプロジェクト次第、年齢が上がるに従い案件を探すのは難しくなる
・レガシィ系の案件は多くはないため、選択枝が少なくなってくる
個人事業主の方が、給与は多くもらえるが、長く働けるかは、参加したプロジェクトの状況=「運」によるところが大きい。
当社でも65才超えて長く同じプロジェクト働いているメンバもいるが、少数であり、
おおよそ1年弱でプロジェクト終了、次の案件と渡り歩く必要が出てくる。
その時の案件数や条件がマッチすればよいが、なければインターバルが出てくる。
システムエンジニアは、業界の中で需要が高いのは事実だが、レガシィ案件は減っていく傾向にあり、
条件も少しづつ厳しくなっている。
年齢が高ければ案件を新たに見つけていくのはより難しくなることを念頭においていかないといけない。会社にいるほどには、安定的に働けるわけではないことを念頭に置く必要がある。
会社に残るにも独立するにも、「運」にたよる部分が多いのがネックであるがではどう考えたらいいのか、考える観点としてはあなた自身の気持ちと周りのステークホルダーの状況である。
1.自分のキャリアプラン、ライフプラン
自分のライフプランとしてどう考えているのか、新たな場に出て、試したいと思っているのか
やりたいこと、こだわりたいことは何か。
仕事の質か、長さか、それとも興味か?、安定か?まず何を自分の中で重視するのか検討が必要だ。
次に考えるのは自分を取り巻くステークホルダーの存在である
2. ステークホルダーの状況
(1) 会社:自分を取り巻く状況はどうなのか?当面何の変化もなく、このまま続けられそうなのか、
肩たたきが周りで始まっていて、近い将来自分にもめぐってきそう状況なのか、会社の方針や考え方を見ていく必要がある。
(2) 家族:もし自分が転職なり、独立なりする際に、家族はどう思ってくれるのか?
自由に選択できるのか、とにかく安定的に居てほしいのか、より待遇がいいところがあれば選択してほしいのか、自分の考えとともに家族と会話することが必要だ。
(3) その他:そのほか、ローンが残っていて等仕事を続ける諸事情あればこれも検討に加えることが必要だ。
(4)自分のマーケットでの価値:長く同じ会社に勤めていると、自分が現在の市場価値としてどのくらいなのか、会社を辞めて独立する際のリスクはどのくらいか、なかなかわかりにくい。
これは人材派遣会社に登録して話を聞いてみるか同じ境遇の人に聞くぐらいしかない。30代、40代みたいにどこの会社もウエルカムという状況ではない年代なので、マーケットバリュとリスクを事前確認しておくことを是非お勧めしたい。
実はバリバリSEとして働けるのはせいぜい65才ぐらいまでではないだろうか。上手くいけて70才近くか
30年近く働いてきて、残り5年、10年足らず、自分の好きなように選択すれば!と言いたいところもあるが、年齢を重ねた分、ステークホルダーも多いので、上の4,5点を吟味しながら検討していくことが 後選択したことへの納得感を持つためにも必要かと思う
人生100年時代とは、いくつになっても「君たちはどう生きるか」問われている時代ともいえるのかも知れない。
今まで60代の方が転職なり、独立しようとする際にどういう風に考えるべきかという話を進めてきた。
でも多くの人はなるべく安定的に働けて、より待遇がよくなる方法がないかと思っているはず。
個人的に考えるそれに見合う方法は、
プロジェクトで一緒に働いた協力会社さんに転職できないか検討してみることだ。
一緒に働いている協力会社さんであれば、会社状況も雰囲気もわかるだろうし、
相手もこちらのスキル、人格をわかっているので、判断しやすいし、
より高い待遇で迎えられる可能性も高いだろう。
もちろん、本人が協力会社から来てほしいまで行かなくても、
来てもいいよと言われるぐらいの人物であることは前提ではあるが・・・
やはりリスクを下げるには、人脈を生かしたほうが良いと思う。
長く働いてきた会社を辞めるのかの判断をするには、やはり事前準備が必要だ。
最初就職するために準備をし何社も面談を受け、今の会社に入ったはずだ。
同じように新たに転職、独立を選択する際にも準備が欠かせない。
その中で、自分のマーケットバリューやレガシィ案件の状況等知りたい場合には、
是非弊社にお問合せ頂きたい。
当社は、ベテラン向けの案件を多く取り揃えており、特にレガシィ案件が多い。
今すぐ転職するわけでなくても、あなたの職歴表から、どんな選択が可能なのか
客観的にお話ができると考えている。是非ブレインソーシングに登録頂き、あなたの
職歴表をもとによりよい選択枝を探せればと思っている。
参考:一部BingAI(https://www.bing.com/ai)での回答をもとに記載をしています。
コロナも5類となり、日常生活が少しづつ戻ってきている。
少子高齢化がどんどん進んでいく中で、長期的にはシニアの就労への役割は高くなって
いいはずであるが、案件の年齢状況を見ると、なかなかそうなっていないようだ。
そこには、年齢が高い人に対するステレオタイプ的な見方(バイアス)があるようにも思う。
ネガティブバイアスであれば、生産性が低い、新しい環境への適応力が弱い、といった能力
に対しての面や、年上に指示は出しにくいといった心理的なバイアスもあるであろう。
能力の面で、年を取ると生産性が低いのかについて今回調べてみた。
年齢と能力(intelligence,ability)の研究は長い間行われてきており、
最もポピュラーな分析は知能を流動性知能と、結晶性知能に分けて分析するやり方である。
多くの知能検査もこうした理論やその派生理論に基づいて行われてきているようである。
(図1 流動性知能と結晶性知能、年齢による変化)
流動性知能とは、生まれつきの能力とも言われ、短期記憶に能力に依存し、脳の伝達速度に
由来する能力で、情報の処理スピード、直観力、法則を発見する能力、図形処理能力、
記憶力等が当てはまる。いわば、ハードウエアとしての脳の能力を示す。
こうした能力の一部、例えば数的処理能力は20歳前後にピークを迎えるらしい。
子供が暗算のスピードや、知識の量や蓄えるスピードをテレビなので見るといつも関心させられる。
但し、流動性知能の中でも知覚速度や空間認知といったの能力は、60才ぐらいまでは維持され
ゆっくり下がってくるとわかっている。
結晶性知能は、後天的で、長期記憶の能力に依存し、知識の獲得と技能・経験の習熟によって
成長しつづける能力で、言語能力、理解力、洞察力のような能力が当てはまるようである。
大手企業の会社の経営者も50代、60代が多いし、こうした方々が話しているのを見ると重みや、
深さを感じるのはそういうことであろう。
(図2 6つの能力の年齢による影響)
グラフを見ると、得意な仕事の分類、苦手な仕事の分類が見えてくる。
やはり、長い年月をかけて獲得された経験に関連した仕事遂行は得意だろうし、
言語理解能力も深まることから、言語化する仕事、言葉によって伝える仕事、
例えば、プロジェクト監査やプロジェクト支援、プロジェクト調整が向いているのかも知れない。
設計等も、過去の経験、知識が活かせ、経験的評価が活きる場面では向いているのだろう。
処理スピードについては、遅くなるので、速度を求められる仕事や、新しい分野の習得については
若い人とは同じ速度ではできないのかも知れない。
PCやスマホを打つスピードも、やはり若い人にはかなわないだろう。
ただ速度は遅いけれども、熟考しながら進めて行くことで、ミスや手戻りを減らしカバーできる仕事であればOKだ。
新しい分野の習得(例えば新しい言語の習得)についても、難しいというわけではなく、
若いころより時間がかかるというレベルだろう。
iPhoneのゲームアプリ「hinadan(ひな壇)」を作った有名な若宮さんは、81才からプログラミングを学び始めたようであり、スピードを求められなければ、60代でも、30代、40代と変わらないか、経験や知見をもとにした仕事であれば、それ以上の能力を発揮できる可能性があるということが確認されているのだ。
こうした能力には個人差があり、かつ年齢が高くなるにつれ、ギャップも大きくなるようだ。
結晶性知能も、後天的な能力であるので、使われなければ、落ちてくる。流動性知能についても同様で個人差もあえば、訓練によって維持していくことも可能なようだ。図3は知能試験での年齢別の分布を示したものである。一般的知識に関しては平均はゆっくりと下がっているが、分布幅を見るとほぼ平行であり年齢差は顕著ではない。一方情報処理速度については、分布幅も顕著に右下がりではあるが、個人差があり、60才でも速い人であれば、40才の平均ぐらいの処理速度を備えている。
今回は年齢における能力差についてみてみた。スピードや量といったハードウエア的能力については、次第に落ちてくるも、仕事を遂行していくための能力については、年齢による影響は60代までは、影響はない、さらに延びていく能力もあることを見て来た。またそうした能力を維持、強化していくためには、能力を使っていくことが大事であることを述べた。
心理学者のシャイエ(図2の研究を行った学者)は、こうした能力を維持するためには下記の心得や環境が必要だと述べている。
・複雑で知的刺激が多い環境にあること
・柔軟な生き方をすること
・脳の情報処理の早さを維持すること
こうした環境、生き方を進めていくためには、’どう老年期を生きたいかの選択’によるところも大きいようにも思う。働くことの意味付けも若いころと異なるであろう。次回は、老齢期における仕事をすることの意味についても考えてみたい。
参考文献
:「知的機能の変化と適応」 東京大学ジェロントロジー研究会
:知能の複数の下位側面(佐藤眞一(2006)2)より引用
:知能のエイジングに関する研究の動向 日本老年社会科学会 西田 裕紀子
:高齢者心理学、北大路書房
:最新老年心理学 : 老年精神医学に求められる心理学とは ワールドプランニング
:発達心理学Ⅱ 東京大学出版会
:新・発達心理学ハンドブック = HANDBOOK OF DEVELOPMENTAL PSYCHOLOGY 福村出版
:Handbook of the psychology of aging Ninth edition (The handbooks of aging)
最近、リスキリングだったり、アンラーニングという言葉が今もてはやされている。
新しいスキル、知らない領域の知識などを学ぶ「リスキリング」、
学ぶにあたり今までの知識や、考え方を捨てることを「アンラーン」と
言うらしいが、この2つの言葉、表裏一体のような気がする。
どちらも、「学びなおし」という意味合いで使われ、学ぶことに重点をおいているのか過去を棄却することに重点を置いているのかの違いのようにも思える。
今なぜこうした言葉が頻繁に出てくると言えば、コロナによる生活様式の変化で、
新しい様式・ツールに多くの人が否応なく対応せざるを得ない状況となり、かつ、
国の成長戦略のひとつとして位置づけられているからだ。
私の仕事柄、多くのベテランエンジニアも方と面談を過去してきたが、
自分の知識・経験の枠内でしか話されない方や、過去の失敗を活かしきれない方がいらっしゃる中で、
様々なプロジェクトを長期に続けられている方というのは、すでにアンラーンしながら、現場に上手く適応されているのではないかと思う。
新しい顧客・新しいプロジェクトになれば、開発言語が同じであっても、開発ツールも変われば、ルールも環境も人も異なる。例えば新しい構成管理ツールを目の前にして、手を出さず「昔のツールの方がはるかに使いやすかった」と愚痴っているだけならプロジェクトに貢献することはできないだろう。
長くプロジェクトを続けられる人は新しいツールでも抵抗なく自分の仕事のプロセスに組み込んで
プロジェクトに溶け込んでしまう。
また以前、面談していて、ベテランCOBOLエンジニアの方から、「所詮COBOLもJavaも同じでしょ。本見ればJava書けるよ」と言われたことが数回ある。本人は、自ら止の可能性を宣伝したかったのだろうが、知っている人からすると「根本的な違い」を理解しているのか?「中身知らないで行っているな」と感じてしまう。
今まで経験してきた手続き型言語の視点で他の言語を見ると、所詮ロジックは条件節とループがメインだし、違いは無いと本人は感じてしまうようだ。
どうしても、自分の経験してきた尺度で物事を見・判断してしまうと、「どうせこんなもんだろう」と固定化して、ただの「知ったかぶり」で思考が止まってしまう。
でもベテランの優位点はやはり経験の多さ・長さだろう。いろいろな種類・場面の経験、成功も失敗も
含めてもっていることが強みである。これを全部捨てたら(アンラーンしたら)何も無くなってしまうのではないか。
一方でシニアは頭が固いとも言われる。「固い」とはどういうことかと言うと、行動や考え方を固定化してしまうことだ。なぜ固定化してしまうのかというと、頭にとってそのほうが情報処理上「楽」だからではないかと思う。新たな情報もいままでどおり処理すればいい。だから簡単だ。アンラーンしないといけないのは、この「固定化」なのではないか。
豊富な経験は、ベテランエンジニアにとって大きな差別化要素だけれども、あくまでも差別化の
一つでしかない。経験に囚われるすぎると、自分が逆に囚われてしまう。
アンラーンとは経験を全て捨てるということではなく、ある意味過去経験をどう位置付けるのかと
いうこととも言い換えられないか。
以前運用保守の仕事をある方にご紹介したときに、「過去に構成管理の失敗経験があるので、構成管理は他の方にお願いできませんか」と頼まれたことがある。失敗経験を「君子危うきに近寄らず」で失敗=地雷として自分の仕事範囲を絞る例だ。失敗は誰にでもあるし、今時失敗を経験していることが貴重な経験のひとつとなる。こうした経験をより良く仕事をしていくために活かさないと、経験の意味・価値がないとも思う。失敗したという経験ではなく、何が失敗を生んだのかという経験の見直し・分解が必要な場合もあるだろう。
また新しいことを学ぶ上で、過去の経験は、比較しながら習得できる視点にもなりうるかも知れない。
JavaはCOBOLと何が違うんだ、なぜJavaは広がり、COBOLは少なくなったのかという視点を持ちながら学ぶと、より全体像を把握しやすいかも知れないし、逆に比較してみて、まったく比較対象にならないのであれば、それこそ過去の知識を敢えて棄却してまっさらな気持ちで学べば良い。
アンラーンの要諦は、過去の経験に囚われるなという事ではないか。
新しい環境に対応して長く活躍していくためには、アンラーンが必要な場面が今後も多く出てくると思う。その時に、いままで自分が経験してきたこと、蓄積してきた事をどう位置付けて(視点のひとつとするのか、抽出して一部を活かすのか、それとも棄却するのか)、新しいことに臨むのかが今後の変化に対応していくために重要な姿勢ということではないだろうか。