今回は、「ライフキャリアデザイン」についてお話します。

1.「ライフキャリア」とは

通常「キャリア」と聞くと、職歴だったり、役職だったり、はたまた転職といった「働くことに関連して」
使われることがほとんどですが、「ライフキャリア」における「キャリア」とは、仕事だけでなく、
家庭生活、地域社会、趣味、ボランティアなど個人の生活などを含めた、生き方そのものを対象としています。
アメリカの有名な教育学者である、D.E.スーパによると,キャリア=生涯過程を通して、
「ある人に演じられる諸役割の組み合わせと連続」 と定義し、ライフキャリアレインボーという
キャリア理論を提唱しました。
人には誕生から死まで一生涯にわたって果たすべき様々な役割が存在していること。
キャリア開発を、この役割と時間という2つの次元でとらえることを提唱しています。

「ライフキャリア」とは人生における役割であり、「ライフキャリアデザイン」とは、
人生そのものの役割をプランニングするということです。

2.50歳でライフキャリアデザインが必要なわけ

ではこのライフキャリアデザインは、いつ”デザイン”するのでしょうか

神戸大学の金井壽宏教授は、節目の時期にデザイン(設計)し、節目以外ではむしろドリフトし(流され)
その適切なバランスの中でつくっていくべきだと説明しています。
節目とは当ブログ1回目でトランジションというお話をしましたがトランジション=節目ということになります。

では、節目とは人生上いつかということですが、金井教授は4つの契機を上げています。

1.危機:焦燥感や行き詰まりを感じるとき、病気や失業
2.メンターの声:先輩や上司、身内などの声
3.ゆとりや楽しみ:調子がいい時に自分を見直すことができる。企業が好調なときに経営改革するようなもの
4.カレンダー、年齢的なもの(入学、就職、定年等々)

実際、上の4つの契機に当てはまる節目は人生多々ありますが、その節目が人生における長期的な変局点か
どうかというのは本人の受け止め方次第に関わってきます。

そして50代というのは、特に会社等に勤める者にとって定年を控え、会社を卒業した後に送る人生を
考える時期にあたります。
まさに自分の人生のライフキャリアを考える節目のひとつになるのではないでしょうか。

それでは以下ライフキャリアデザインの進め方:流れを見ていきましょう。

3.ライフデザインの流れ

ライフデザインの流れは大まかに言って、3ステージとなります。

ステップ1:自己理解、自己アセスメント:

自分の過去を振り返りながら、自分の強み、弱み、自分の価値観や、パーソナリティを改めて認識します。
ツールとしては、ライフラインチャートを使いながら、自分の過去の経験から、自分の強み、弱み、価値観が
何かというものを探っていきます。
下の図では、イベントとともに成功体験、失敗体験を記載していますが、強み、弱みを成功、失敗と結びつけて
考えることにより、強み、弱みが本当に影響を与えているものなのか理解しながら認識することができます。
同時にライフイベントを通して、自分がどういう人の影響を受け、何に価値を見出してきたのかを発見する
きっかけになります。

自己アセスメントの目的は、自分が何が得意で、何をしたいのか、何をやったときに一番価値を感じるのか、
キャリア目標を設定するうえでの基盤となる自己イメージを発見するところにあります。

未来から自分を見てみるのも大事:80歳の自分からの手紙

ライフラインシートが過去の自分から自己パーソナリティを浮かび出すのに対し、未来の自分から見て今の自分
がどうあってほしいか、今の自分にどうアドバイスするか考えてみるのも、キャリアを決めるうえで有用な方法
です。
実際、「80歳の自分からの手紙」という方法があり、80歳の自分が今の自分を見たらどういうアドバイスを
するのか
手紙風に書いてみるという手法があります。

特に人生の半分を過ぎた50代には、80歳の自分が遠い未来には見えないでしょう。自分の人生の意味や価値を
考えることができるいい方法でないかと思います。

ステップ2:キャリアビジョン、キャリア目標の設定

このステップでは、過去の職業経験や、教育・トレーニング経験をもとに、スキルの観点、自分のしたいこと、
自分の価値観をもとにした、問題意識や課題を出しながら、キャリア目標設定をしていきます。
まさに「can,wants,must」の3つが満たされるキャリア目標を探すというステップ。
キャリアインベントリーシートを使い、今まで行ってきた職務、役職、会社、プロジェクトの内容、実績ととも
に、蓄積したスキル、経験等をまとめていきます。
過去の職務棚卸に対して、MUST(社会的に求められているサービスやもの)、WANTS(やりたい領域)を
合わせて、キャリア目標を設定します。

ステップ3:行動計画の作成

キャリア目標ができたら、現状のスキルや環境、課題などを洗いだし、行動計画を作ることになります。
1年後、3年後、5年後、10年後等4フェーズで区切って行動計画つくることで、より大きく自分のキャリアを
捉えることができると思います。

4. 50代だからこそ、ライフキャリアデザインもリアルになってくる

以上、ライフキャリアデザインについて説明してきました。
人生90歳以上まで生きるとなると、定年後、25年以上過ごしていく期間があります。

50代で自分のキャリアをデザインするというのは、しんどいことではあると思いますが、
人生を立ち止まって見直すいいチャンスでもあると思います。
ウイリアムブリッジズのいう「ニュートラルゾーン」であり、自己内省と人生設計のチャンスなのです。
自分は本来なにをしたいのか、何が好きなのか、50代すぎて、世の中の酸いも甘いもかみ分けられるから
こそ、リアルに自分の人生を見直せられるのではないかと思います。

最後までお付き合いいただきありがとうございました。

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参考文献
キャリアデザインハンドブック ナカニシヤ出版
働くひとのためのキャリアデザイン 金井壽宏

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