現在、50代、60代のシニアのITエンジニアが自分のスキルを活かして仕事を続けられるように支援をしていく仕事を進めている。今は、受託ソフトウエア開発会社に、50代、60代のエンジニアの人材募集がないか聞いて回るという足でかせいで案件の掘り起こしをしている。

営業で回って感じることは、世の中IT人材不足が言われて久しいが、シニアのITエンジニアにニーズが来ているかというとまだまだ感じはない。
「50代、60代のエンジニアの紹介をしています。」と説明をすると必ず「お客様から40代ぐらいで要員いないかと言われているんだよね」と言われる。こちらはめげずに粘り強くシニア向けの案件を探すのが仕事なのだが・・。

シニアのITエンジニアのマーケットの規模は?

一体ITエンジニアの人材マーケットの中で、シニアがトライできる案件はどのくらいあるのか、ためしに毎日送られてくる案件情報をもとに分析してみた。

 

 

 

 

 

 

年齢制限がない案件は約半分(年齢制限がないとは、50歳までの年齢制限がついてないものを選択。)
でも、年齢制限が付かない案件の6割は、Java、C,C#,VB.Netといった現状の50代、60代が親しくない言語が対象の案件だ。(逆に年齢層が若手に限られるので制限記載がないともいえる。)COBOLはどうかというと年齢制限のつかないものの中で8%程度を占める。(COBOLで言えば半分は年齢制限付き、半分は年齢制限なし)

全体の案件から見れば年齢制限のないCOBOLは4%、テスト等も含めてシニアのスキルを活かせる対象になるのは、全体で8%程度の案件だ。(もちろんこれは言語技術のみで見たもので、案件の要請として業務スキル等付加価値があって初めてマッチしたとして候補となる。)
100件案件あったら、年齢と技術で対象が8件。そこから業務経験・場所等付加条件で候補となるのか選択となる。

現在広告でシニアを顧問ビジネスにと手掛けている会社は多い。流行っている感覚をもつが、一説によると、マッチ率は5%程度だそうだ。
こうしたサイトで、登録して全く連絡がないとこぼすシニアのツイートを見たことがある。
広告見て、「俺もいけるんじゃないか」と思って登録するが、数値的に見れば5%で、大量に登録して、数少ない成約でビジネスのつり合いをとっているビジネスモデルなのだ。(応募するシニアもこうした市場状況を理解しておく必要がある。登録は無料だからいいものだが・・・・)

これからのシニアのエンジニアはデジタル技術を身に着けて:どれだけ技術を理解しているか

先ほども述べたように、現状マーケットで回っている案件の比率で、多いのは、Java、C,C#,VB.Netというマーケットだ。あと5年後に出てくる50代のエンジニアでこうした技術をもった人は増えてくるだろう。そうすれば、マッチ率は上がってくるかも知れない。
そのうえで、現在のシニア予備軍が将来的に価値を増やそうと考えているのであれば、デジタル技術(アプリ技術やツール技術)を経験していた方が安定的にスキル活躍の場が見つかるだろう。もちろん、Python,Node.jsやAI系等のツールや経験があれば、もっとエンジニアマーケットに近づくだろう。シニアで働くにしても、どれだけ技術を理解しているかが価値の差になっているのである。

リカレント教育の行方

政府は「人生100年時代構想」社会人が最新技術などを再学習する「リカレント教育(学び直し)」の制度整備に本格着手する方針を固めた。いい方向だと思うが、これが単に雇用している企業に補助金のように渡してとなると意味がなくなる。自立するためにお金は使われないからだ。
是非(非正規の若者はもちろんのこと)シニアが再度社会で活躍するための学びなおす機会として検討されればと思う。
さらに、大学との連携もいいだろうが、「飯が食える」実学を学べる場として提供されればと思う。
さらにシニアには、学びスキルは現状では評価対象ではなく、あくまでも「経験のみ」が評価対象になっている。是非リカレント教育での評価も評価対象になっていくように変わっていく必要があるだろう。

足でかせぎながらも、シニアのエンジニアの案件が少しでも増えていくことを望んでやまない。