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年別アーカイブ 2020

コロナによる人材ニーズの影響とアフターコロナを生き抜くために(PART-Ⅱ)

コロナが起きてすでに10ヶ月以上過ぎ、状況は持ち直す暇を与えず、年末を迎えてさらに第3波が来ている。
どこまでこの影響に引きずられるのであろうか。一体元に戻るのはいつになることなのだろうか。
現在の案件状況がどうなっているのか現状でも聞かれることが多いので、10月末時点での案件状況をまとめてみた。

いつもどおり、これから述べる案件の状況は、あくまでも弊社に来る案件をもとにまとめたものであり、
規模的には小さいので、一つの例、状態としてこんなことが起きていると見て頂ければ幸いである。
また、前回のブログ「コロナによる人材ニーズの影響とアフターコロナを生き抜くために」のつづきとして
前回は2020年1月~5月までの推移を記載したので、また半年過ぎてどう変わったのか述べてみたいと思う。

1.全体案件数と傾向・・・件数としては回復傾向

全体の案件件数を今年1月時点から推移を見てみると、5月に7割弱まで落ち込んだものの現状は回復して来ており、
全体件数としては、1月の案件件数を超えてきている。
ただ言語別にみると、回復の仕方に強弱が見られる。Javaやインフラ・基盤、Python等の案件数は、回復し、かつ
延ばしているが、COBOLや、VBといった言語はまだ6割程度の戻りだ。
言語で分類するとやはりレガシィ系の案件数は
抑制されたままだと言える。
なお、グラフは2020年1月のそれぞれの案件数を1とした場合の推移で、案件数の規模(数)は表現されていない。
実際の案件の構成はJAVAが圧倒的に多く40%、基盤25%、スマホ、Python等その他オープン言語で30%、
レガシィ系は5%弱だ。
(グラフ上で上下変動が大きい言語は、件数が少ないため揺れ幅が大きく出がちとお考え下さい。)

2.COBOL案件はどうなっているのか・・・・年齢シフトが急激に進行

弊社で担当数が多いCOBOLは、数字上は6割程度戻って来ているが、肌感覚的には全然戻って来ていない、
それは、同時に年齢シフトが起きているからだ。

グラフで見てみよう。

30代、40代の案件が昨年同時期に比べて昨年10月は3割だったものが現状6割を占める形になってきている。
また年齢指定なし案件が10%切ってきており、ほぼ
すべての案件で年齢条件が付くようになってきている。
(年齢指定なし案件は案件情報上年齢条件が載っていないだけで、
年齢不問ということではないが、
多くの会社、今まで特に年齢条件記載しなかった会社や案件で年齢条件が付いてきていると
いうことだ。)
年齢条件がコロナ前と比べ10歳、15歳ぐらい若くなりかつ条件が厳しくなった感がある。

これは少ない案件に多くの希望者が殺到して、選考上条件が厳しく(せざるおえない?)なってきているということだろう。
私の想定は、もっとゆっくり年齢シフトが起きると想像していたが、コロナで急激にシフトが起きてしまった。
COBOLを主戦場として来た世代からすると本当に厳しい状況が続いている。

3.年齢条件を超えるために・・・今を大切に

こんな中で、年齢を超えて応募できる案件はどんなものなのか?
年齢不問の案件を調べてみると、COBOLのスキルだけでなく、同一業務の経験や上流設計経験(業務スキル)や
アセンブラといった特殊言語スキル、システム関連スキル等、COBOL+αが求められている。

今までのように工程を細かく分割し、詳細設計以降の経験で仕事を探しても現状では非常に難しい。
案件の量があった時代なら
ともかく、量がない現状で詳細設計以降のコーダのみでは競争が厳しく、
若手に仕事がいってしまう。

逆に+αがあって、Performanceが高ければ、現状でも65歳以上の方でも呼ばれて従事されている方もいる。

多分、今までは案件が豊富にあったので、現在従事している仕事が合わなくても「次があるだろう」的な
感覚になっている場合も
あるだろうが、現状では、パフォーマンスを出して、顧客から呼ばれるエンジニアに
ならないと市況を超えて続けることは難しい。

従事している今の現場を大切にして初めて次があるのかも知れない。

COBOL等レガシィ言語については今だ厳しい状況が続いているが、案件はタイミングなので、
自分の強みを見つけて、それに合った案件にアプローチしていけば先に光は見えるかも知れない。

コロナによる人材ニーズの影響とアフターコロナを生き抜くために

4月に始まった国の緊急事態制限も解除され、「あたらしい生活様式」のもと、段階的にすこしづつ緩和され始めていく状況にある。では、今回コロナでシステム案件に実際どのような影響が出ているのか具体的に調べてみた。(なお、下記案件の状況は、弊社に来る案件をもとにまとめたもので規模的には小さいので、一つの例、状態としてこんなことが起きていると見て頂ければ幸いである。)

1.全体案件の状況・・・全体の6割の件数に減少、ただ言語によりバラツキが。
まず全体の案件数の状況である。
上のグラフは、今年の1月~5月までの案件の推移を昨年と比較してみたものである。(5月は20日時点数値での推定値)
昨年は5月に向けて案件件数がすこしづつ上がっているが、今年は3月,4月,5月と落ちてきて5月は1月の6割ベースの件数となっている。
コロナで先が見えない中で、新規募集を止めているプロジェクトもあるだろう。
またプロジェクト開発そのものをリモート化しないといけないといった新たな作業が増えて、増員するどころではなかったのかも知れない。全体として新規募集案件が落ち込んでいることは確かだ。
言語別にみると・・・全体で6割減でも、COBOL、VBは大幅減、スマホ開発は微増に

 

こうして全体件数が6割と縮小する中で、案件を言語別に分解してみると、COBOLやVBは3割ぐらいに落ちている状況である。一方スマホ系は件数は微増の状態である。あくまでも言語の分類上であるが、どのような開発が”重要”と位置付けられているのか示しているようにも思える。
2.COBOL案件での条件推移
弊社は主に中高年のベテランエンジニアをベースに事業を展開しており、レガシィ系の開発がメインである。
そのため、COBOLについて案件動向をさらに調べてみた。(案件数が激減している時点でかなりの影響が出ているが・・・)
下図は、年齢条件の推移である。
・3月以降年齢記載のない案件比率が半減(3割→1.5割)
40代までの対象が3割→5割強に増えたのに対し 55代後半以降可な案件は5月に至っては5%しかない。
 (今までは15%ぐらいは50代後半~60代まで可であった。)
件数が少なくなる中で、年齢条件が非常に厳しくなっている。今までCOBOL案件ではあまり見られなかった30代までの制限付きの案件もちらほら見かけるようにもなった。件数も3割と少なくなったうえに、年齢条件も厳しい、ベテランエンジニアには厳しい時期となっている。
3.コロナ終息で元にもどるのか
3月~5月の案件推移を今まで見てきたが、緊急事態宣言が解除され問題は、これからコロナの終息に向けて元の状況に戻るかということだ。
6月に入ると在宅勤務解除というところも出てくるだろうし、新規営業も始まりつつある。
すこしづつ回復してくるであろうが、求められる条件が元にもどるには、もうすこし時間がかかるのではないかとみている。
コロナによる企業決算への影響は昨年より今年が厳しくなってくる企業のほうが多いだろう。
そのため今後プロジェクトの見直しや縮小が出てくる可能性が高い。
現に弊社のメンバが参画しているプロジェクトも縮小となり、契約終了という案件も出てきている。
企業活動がすこしづつもとに戻っていく中で、顧客企業の今年の収益の変動見通しによってプロジェクトの継続が左右されるということが今後多く出てくるのではないかとみている。
4.アフターコロナを生き抜くために・今まで通用したスキルセットだけでは厳しい場合も
こうした状況でも生き抜く方法はないのだろうか。
少ない案件の中で生き残っていくためには、やはり少しでも高いスキル、差別スキルをもっていることが必要かも知れない。
エンジニアの方と面談すると、話せば話すほど、お持ちのスキルが縮小均衡に至ることが多い。奥ゆかしくていい方なのだろうが、自分のスキルの一番小さい部分(例えばCOBOLの詳細設計~なら大丈夫とか。)のみでお仕事を探しても、縮小市場では難しいのではないだろうか。詳細設計以降ならとおっしゃる方は本当に非常に多いので、何かプラスαがないと提案突破には難しい状況になる。今までのスキルセットだけで同じように攻めても難しくなってきているのが現状だ。
もちろん、過去経験していないことをしたことにすることはできないが、どこまで自分の技術領域(業務スキルも含めて)の幅を広げられるか、少しのジャンプ力が必要かなと思う。せめて、業務要件、上流設計、基本設計は可能なぐらいのスキル提示はこれからの時代は必要かと思える。
私が面談する方の多くは長くシステム開発を経験しているので、必ず経験した業務、ツールやパッケージのようなプラスαがあるはずだ。少しでもそうしたものを掘り起こして”自信をもって提示できる”(これが一番難しいのであるが)スキルを見つけることが可能性を上げる一歩ではないかと思う。