先日、55歳からのサバイバル術というセミナーに出席してきた。
この中でサイボウズ社の野水克也さんのお話がおもしろかったので、記載します。
野水克也さんは、現在サイボウズの社長室フェロー。もともとテレビカメラマンを8年。家業の建設業の経営を5年後、2000年にサイボウズに入社されている。
サイボウズ社自体、”副業禁止は禁止”というぐらい副業推奨していて、最近では”副業として採用”までしている。
野水さんも「働き方改革」というキーワードで、いろいろなところで講演されているようだ。
野水さんの副業は、もともとの仕事だったカメラだ。今では、クロマキー技術を使ったり、ドローン撮影など、新しい機材や技術を取り揃えてプロ顔負けらしい。
そもそもは、2005年に10年ぶりにカメラに触って写真を撮り始めた。最初は会社の広報補助でということで実施し始めたそうだ。補助として再開したカメラだが、周りのプロのカメラマンの撮り方を見て、技術的にはそれほど違いはなかったと感じ、野水氏のカメラマンの”副業への道”が始まる。
最初は、補助から、ちょっとしたお金を謝礼ベースで受け取る形に。やはりプロ並み?のお金は撮りにくかったし、請求もしにくかったと語る。
こうして、ちゃんとしたお金がとれるようになるまでに”5年”ほどかかったと述べる。
さらに野水さんは、稼いだお金をすべて機材につぎ込んでレベルアップを図る。どんどん新たなことに挑戦して、自分でないとできない得意技に。こうして、現状では、社長室長をこなしながら、空いた時間の副業で年収の10分の1ぐらい稼いでいると語る。
野水氏は、自らの体験から、”副業”をするには、キャリアチェンジの時間=「学習」が必要だと説く。
そのために、現在の会社での「働き方」を考えて、長くいることをメインにするのを変更すべきと説く。長くいることで”学ぶ”時間がなくなってしまいますよ。
副業の選択の基準としては3つあげていた
1)自分の好きなことを選択する。お金だけのためではなくて、自分の好きなことを選択することにより掘り下げられ、長く続けられる。元テレビカメラマンだった野水さんがお金ちゃんととれるまで5年かかっている。長く続けない限り、難しいということだろう。
2)複数スキルで働く 単一スキルだけでは、専門にしている人には勝てない。そこは複数スキル(例えばIT+農業やIT+経営)で売り込むことによって、チャンスが広がるということだろう。スティーブジョブスの言葉に”創造とは結びつけること”という言葉もある。副業で何か新たなものを創らないといけないという考え方でなく、何か”結びつける”ことそれ自体が創造。だから、学習をする上においても、自分の現在あるスキルに何をプラスアルファして、差別化をするのか選択するということだろう。
3)高単価、省力ビジネスを選択する。
やはり、シニアになると体力は落ちてくる。労働集約的な仕事を選択できませんという話。
”副業”である以上、本業への影響は最小限にしないといけない。本業に影響でれば評価は下がるし指導も入る。これは、別に副業にかかわらずである。だからこそ、体力でお金をかせぐものは、副業には選択できない。
でも、現実、シニアが選択するときに、高単価、省力ビジネスを選択できるのかということだ。 高単価、省力ビジネスを選択するためには、複数スキルで差別化が必要だし、そのための学習が必要。学習してお金になるまでするには、長く突き詰める必要がある。
そのためには、自分の好きなことを選択する必要があるという3点はすべてつながった話なのだ。
野水さんは、副業は、”自己防衛”のため必要だと説く。
「会社は永遠ではない、だから個人としても自己防衛が必要だし、会社としても永遠でないことを前提に社員が働いてもらう必要:会社にしがみつかない働き方をしてほしい」と述べる。
野水さんが、サイボウズに入社したときは、数十名の会社だったそうだ。離職率も高く、ブラック企業だったと。もちろん個人的にも、自宅の建設会社も経営して中小企業のある意味”もろさ”を身をもって経験しているからこそ、言える話かなと思える。
こう思っているからこそ、”副業”に真剣になれるのかも
定年制度がある以上、どんな人にとっても、副業の準備は必要と思われるが、
野水さんの例を聞いて、「複業」を経ている人は強いなとも感じた
日本の社会は、ひとつの会社で勤め上げる価値観が過去、強い社会だったと思う。
でも、野水さんの今までの人生の流れを見ていると「複業」経験していることって働く選択肢を考えたら”強いな”と思う。
多くの方は、野水さんの例にはいかないのではないか
今シニア例えば50代以上の方は、やはり”会社一筋”で、”複線”経験している人は少ないのではないか。
では、そうしたシニアはどうしたらいいのか?
やはり野水さんの副業選択の基準は重要だ
①好きなこと、長く続けられることを選択すること
②複数スキルを身に着ける
③高価値、省力ビジネスを選択する
この基準で”自分が情熱を傾けられること”を見つける心の準備をまずするということではないだろうか
やはり、自分なりの”副業”を探す、決めるにも時間はかかるということだ
自分で考えて、自分なるの”副業”を決めるタイプの方もいるだろう:自分なりの内なる声を聞く
回りの人にアドバイスも求めながら、決めていくこともあるだろう
もしくは、偶然の出会いや出来事によって決めていくこともあるだろう。
心の準備がないと、すべてが過ぎ去るだけになってしまう
準備ができていれば、偶然の出来事に対しても”新たな選択”をできるようになる。
副業を確立するためには時間がかかる。だから準備も必要なんです。
もちろん、副業を決める上でも時間はかかる”ということだ。
だからこそ、心の準備をしながら、”副業”を探すこと、が重要なのだと思う。
野水さんは、”自立というのは依存先を増やすということ”と説いていた。
新たな依存先を見つけること、そのための”心の準備”をすることが、”副業への第一歩だと思う”
参考:野水克也氏の講演例
「共働き時代のワークスタイルとは?」サイボウズ野水克也氏
「離職率28%」出発の改革 サイボウズ野水氏「人は好きな事をやるとき一番成長する」
大学は理工学部で物理を専攻。当時大きな汎用機を使ったコンピュータの授業があり、FORTRANやCOBOLでのプログラミングに面白さを感じ夢中に。自分でもパソコンを買い、Basicから始まり、Lisp、Pascalといったプログラミング言語やDelphiといった統合開発環境に手を出すようになっていった。
そのうち、趣味の領域を超え、自分でアプリケーションを作って会社に適用するようになる。支配人の仕事をしながら、”一人情報システム”として会社の情報システムを一手に引き受けるような立場に。会社に適用するアプリケーションを作っているうちに、それぞれ作りやすい言語を選択していき、気が付いたら様々なプログラミング言語を手掛けることになっていったという。
こうした経験から、中小企業にITをわかる人が少ないこと、ITベンダーも事業や経営には詳しくなく、経営とITの”つなぎ役”がこれから企業のIT化には不可欠だと感じた。自分であれば、経営もITもわかり、かつスイミング業界やボウリング業界の人的ネットワークもある。この業界は中小企業も多くシステム化は進んでいない。自分の経験を活かしながらITコンサルとして業界のIT化を支援できるのではないかとエンジニアの道を選択することに。
事業立ち上げに忙しい岩崎氏だが、プログラミングへの興味も尽きない。現在もAIの活用に向け、Pythonを覚え始めた。スキル習得に中野区で進める産業振興推進機構(ICTCO)を利用し非常に役に立っていると話す。理解できない部分があれば、ICTCOの参加企業の若手に気軽に質問しながらプログラムを作り上げているそうだ。会社名のファイヤーフライという名前も、機械学習のアルゴリズム名から名付けているという。
岩崎氏は、シニアにとって健康と体力が重要と語る。もともと水泳のインストラクターだった氏は、今でも週1回は必ず泳ぐそうだ。若いうちは運動すればすぐ体に筋肉がつく。しかし年をとると運動しても効果が出るまでに数週間かかるそうだ。効果がでないなと思って運動をやめれば、代謝能力も落ち太ってくる、さらに動きにくくなるという悪循環をもたらすという。動かなくなってから、動き始めても手遅れだと。だからこそ、早めに動いてかつ継続することが重要と語る。人生の選択も同じだ。”できるうちに早めに”ということだろう。
またエンジニアは、技術の移り変わりが早い。WEB、スマホ、AIと範囲も広がってくる。シニアは会社でそれなりに経験も積み、勉強もしてきていると思うが、新しいことへの勉強も必要ではと説く。
さらに重要なのは、経験の論理化。経験を”勘”としてではなく、”論理的”に語れるようにしないと、若い世代には理解できない。理解されないと”自説をまげないただの老害”になってしまう怖れがあるのではと語る。
今回中野区産業振興推進機構(ICTCO)様の紹介にてインタビューを実施させて頂いた。お忙しい中インタビューにお応え頂いた岩崎様と調整頂いた千種様、つないで頂いた(株)セピアの向井様に御礼申し上げたい。
私が参加している「NPO法人生涯現役推進協議会」には、「生涯現役プロデューサ養成講座」というのがある。
自分も生涯現役をしながら、人の生涯現役を助ける人:これをプロデューサと呼び、これを養成するための講座なのだが、ここでは毎回宿題が出てくる。
先日の宿題で、生涯現役という言葉を使わず、ユーモアを意識して生涯現役を伝えるコラムを書く というお題が出た。
本来文章で提出なのだが、どうも”ユーモア・ユーモア”と考えている間に、なぜか宮沢賢治の”あの詩”が頭に・・・・・
これ使えないかと、これもとに”生涯現役”風にアレンジしてみた。
老いにもまけず
老いにもまけず
しらがにもまけず
肉体の衰えにもまけない
健康な心をもち、
決して怒らず、
いつも静かに、ときには大いにわらっている。
よく運動をし、健康にも気をくばり
常にバランスのとれた食生活をおくる。
自分の人生の目標をもち、
自分の強みを理解し、
学ぶことを常にわすれず
大いに本を読み、
若い人の声を聞き、
同じ仲間の苦労にも耳を貸す。
東に集まりあれば、喜んで参加し、
西に困っている若者がいれば、希望を与え、
北に不安に思っている同輩がいれば、手をさずけ、
南に迷っている人がいれば、一緒に悩み、道をさがす。
自らに苦しみごとあれば、
ひとりでふさがず、
他人のせいにもせず、
友に相談し、
前を向いて進んでいく。
ときには自分の人生をみつめ
自分の生きがいをもとめ、
明日への希望とする
世の中にぶらさがらず、
世の中の課題を理解して、
少しでも役にたち、
ひとからは喜ばれ、
でも、多くはもとめず、
年齢を重ねても、けっしてふけこまず、
周りとかかわりをもちながら
自分の生きがいを感じていく。
そういうものに
わたしはなりたい
宮沢賢治は、子供のころ好きで、全集買ってもらって読んだこともあり、
まねてみようかと思ったんだけど、
もともとの詩の最後の部分はこうなっている。
ミンナニデクノボートヨバレ
ホメラレモセズ
クニモサレズ
サウイフモノニ
ワタシハナリタイ
見返りを全く求めない愛。
あらためて読み直して、こんな崇高な気持ちにはとてもと思いながら作ってみた。
宮沢賢治の年齢はとうに超えているが、人間いつまでも煩悩は消えないものだ。
ちなみに、私は「生涯現役プロデューサ養成講座」を受けているが、自分自分をプロデュース中である。
人に対する見返りを求めない愛:それができるのはいつのことか。
私が、現在参加している「日本生涯現役推進協議会」には様々な「生涯現役」を実現されている方がいる。
童謡の作詞作曲家をされている高橋郁郎さんもその一人だ。
「童謡100年」という会の理事をされていて、様々なところで「詩の会」を開催されている。
「生涯現役実現できました!」と語られる御方だ。いつもにこやかに微笑んでいて、横に座ると
20歳以上も違う私にやさしく話かけてくれる。
なんと、この方、元国鉄職員で、国鉄が解体されたときに退職して、今まで自分の好きだった童謡の作詞作曲の道を選んだ。
国鉄職員時代にもPR音頭を作っていたようだが、すべて独学で学びながら、自分の好きなことを次の仕事として選んだとのこと。
好きなことを仕事に選ぶ。当たり前のことだけど、その勇気ある選択に脱帽!
その高橋さんが作られた「生涯現役音頭]。残念ながら、Youtubeには上がっていないので、どんな節なのか
不明だが、「生涯現役」をユーモアたっぷりに表現しているので。ちょっと読んでみるべし。
生涯現役音頭
高橋育郎作詞
高橋丈也作曲
勝 一雄 編曲(キーボード)
人生五十は むかしのことよ
いまじゃ百歳 長生き時代
伸びた生命は めでたいが(ソレ)
伸びた蕎麦では まずくて食えぬ
背筋ピンとして 腰を入れ
夢をひろげて 生きてゆこう
ソレ シャシャンと シャシャンと
シャシャンとな
余生隠居は むかしのことよ
いまじゃ生涯 現役時代
人生いつでも 青春だ(ソレ)
健康第一 心が二番
経済家庭に 交流と
もう一つ大事な 好奇心
ソレ シャシャンと シャシャンと
シャシャンとな
道はそれぞれ ちがっていても
集う仲間が 肩組みながら
生きがいづくりを 語り合う(ソレ)
歩いてゆこうよ 両手を振って
実践する道 光る道
しあわせ築こう 花咲かそう
ソレ シャシャンと シャシャンと
シャシャンとな
平成5年4月(平成15年 八十を百歳にする)
なんたって 伸びた蕎麦では まずくて食えぬ が秀逸だし、平成15年に歌詞八十を百歳にしている。もうすでに14年も前から人生100歳だったんだ!ってびっくり。
お楽しみいただけましたでしょうか。
IPAの人材白書2016の、フリーランスの働き方について調査を見て、ちょっと驚いた!
回答者属性を見ると50代以上が50.1%となっている。もちろん回答者属性なので、フリーランス人口の占める割合ではない。
調査の仕方があまりにも偏っていればだが、一応IPAの調査なので・・・まったく市場比率とはかけ離れているということはないだろう。
IT人材白書の調査側でも、おそらくこの比率にあれ?となったに違いない。このあとの文書はこう続けられている。
(全文そのまま載せちゃいます。)
中小企業庁委託「小規模事業者の事業活動の実態把握調査~フリーランス事業者調査編4」(2015年2月、
(株)日本アプライドリサーチ研究所)では、フリーランスの年代構成は、20代以下が1.1%、30代が10.9%、40代が36.3%、50代が38.3%、60代以上が13.5%であった。この調査は、「ITエンジニア」以外の職種のフリーランスも含むものであるが、今回の調査と同様の傾向となっている。
「もしかすると」現実にフリーランスの半分が50歳代以上となっているってコト!?。
正直、以外といるんだな!50代という感じ。
それでは、50歳代のITフリーランスってどんな仕事しているんだろうか。
実は白書では、仕事の内容について年齢別に表記はされていない。
30代~40代を抽出して、IT企業に勤める社員の仕事と比較している。
フリーランスは、「受託系事業」より、ウェブ関連の事業(「ウェブサービス企画、開発、運用」、「ウェブサイト構築、デザイン」)「コンサルタント他」の割合も高いようだ。
インタビューによると、20代、30代では、ウエブシステム開発、40代ではコンサルタントと年齢ごとに業務が異なっているとのこと。
50代以降もおそらくコンサルタントで働いている人が多いのでないかと推察できる。
白書では、フリーランスの年収についても調査されている。
もちろん、働く時間も異なるので、フルタイムで働く会社員と単純比較はできないのであるが、
数字を書くとこんな感じ(50代以上)
300万未満 31.2%
300~500万 29.8%
500~700万 19.7%
700~1000万 17%
1000万以上 2.3%
300万未満の層が一番多いが、単純に計算比較すると会社で働くほうが、4割程度多くなる。会社では年功が効くが、フリーランスではそうはいかない。
会社では、定年と超えて、再雇用となると、大幅に年収は低くなる。働ける期間と給与を比較したときにどうか、自分のライフプランとあわせてどうかというところが判断基準となるのではないか。
経済産業省の将来推計では、50歳以上のIT技術者の比率は、2020年には、22%、2030年には27%となる。
他の年代の技術者の比率がすべて減っていく傾向にあるのに対して、50代以降の層だけ増えていく。
シニアの活用も重要度を増す中、同様にシニア活用の難しさも指摘されている。
経済産業省の資料では、「新しい業務知識や技術への対応力が低い」、「コスト(人件費)が高い」、「生産性やパフォーマンスが低い」といった課題が上げられていた。
ITは技術の進歩や移り変わりは激しい。技術そのものでは、なかなか若いエンジニアと同じレベルになることはむつかしいだろう。
でも、対応力や理解力は必要だ。そうしないと市場ニーズについていけなくなる。
シニアは、”技術スキル”では勝てない、やはり”多くの経験”が強みだ。シニアは多くの修羅場をくぐって生き抜いてきているはずだ。
経験というと「昔はこうだったのに、今の若い者は!!」というもん切りで使うというイメージを抱くが、”経験”を、判断のポイント、考え方、全体の見極め方とかとなっていれば、若いエンジニアや、顧客の役に立ちうるのではないか
経験を他人が理解し、へぇーそんな考え方あるんですねーとか、なるほど!とか共感を得られるように高めれば、それはその人が持つ”固有スキル”になるのはないか。経験こそが、シニアが差別化できる、ユニークにできる要素ではないかと思えるのだ。
シニアにこれから求められるのは、実は”自分のスキル”の棚卸ではなく、”自分の経験・修羅場”の棚卸とそれを誰にでも訴求できるようにすることなのではないか。
参考文献:
IPA 人材白書2016
経済産業省 IT ベンチャー等によるイノベーション促進のための人材育成・確保モデル事業
働き方改革の残業規制の上限議論が固まってきました。
労働時間の抑制とともに、働き方改革の目玉として、働き方の多様化への対応として副業の解禁があげられています。
政府は働き方改革の一環として、企業で働く社員の兼業・副業を普及拡大するためのガイドラインを作成する方針で、ガイドラインによって企業に柔軟で多様な働き方を促す狙いがあるようです。
現在、副業を許可しているのは、大手では少ない。
副業許可は、サイボウズ、リクルートキャリア、ヤフー等々若い企業、ベンチャー企業がメインです。
昨年、大手では、ロート製薬で、副業を解禁しています。
こうした若手企業が、副業許可する理由は、多様な働き方を許容することによって、
より優秀な人材を確保したい、(もちろん外で自分を磨いて、会社でも才能を発揮してほしいという希望があるにせよ)人材募集していくための「差別化」であり、企業ブランドを高めていくために積極的に導入しているように思えます。
そう!「副業許可」のメッセージは、あくまでも若者・採用者向けになされているです。
今はひとつの会社で勤めあげるという生き方は(いまだにメインだとしても)絶対的でなくなっています。
ちなみに、年齢別離職率を平成16年と平成27年で比較してみました。若い世代ほど離職率はこの10年間で増加している。
20~24 | ~29 | ~34 | ~39 | ~44 | ~49 | ~54 | ~59 | ~64 | ~69 | |
平成16年 | 18.0 | 13.1 | 9.5 | 6.8 | 6.7 | 5.5 | 6.7 | 7.0 | 12.3 | 4.5 |
平成27年 | 24.9 | 16.8 | 11.5 | 8.0 | 7.5 | 5.9 | 7.3 | 7.5 | 14.1 | 10.1 |
そのために、働き方の多様化への企業のメッセージが採用の場においてもメリットとして伝わりやすいのではないでしょうか。
若者向き、採用向きの「副業許可」。でも副業許可が一番必要なのは、シニア世代ではないかと考えています。
会社の定年は60歳、運よく65歳まで会社に残れたとしても、あと5年、10年自力で働いていかないといけない
社会になりつつあります。
会社で新人がOJTで成長していくように、退社して自力で生活していくためには、準備が必要になります。
会社にいる頃から副業を通して、自分のスキルが市場で生きるようにしていく。それが安定的な長寿化社会の実現には必要なのではないでしょうか。
自分の会社でのスキルを外から眺め、外で試すことによって、自分のスキルアップにつながるでしょうし、そのスキルを会社の中でイノベータとしていかすこともできてくるでしょう。もちろん自立のイメージもで来てきます。
来る5年後、10年後の自立のために、働くことの選択肢を増やしてあげることが必要なのではないでしょうか。
もちろん、働くことだけではなく、NPOに所属して、ボランティアでもいいでしょうし、
セカンドライフのオプションを経験・準備を通してシミュレーションしていく仕組みがあればいいのではと思います。
定年後の雇用延長社員や定年前、役職定年者に、会社は2、3日勤務とともに、副業・兼業の選択を許可していく。
そんな制度がつくれるのではないでしょうか。副業が必要なのは、実は、シニア世代・定年まじかの世代なのです。
採用のために、副業許可して、優秀な人材をひきつける。会社にとって取り組む意味はわかりやすい。
では、会社をリタイアする人のために、そんなオプションを作ってあげる必要があるのでしょうか。
それは、企業OB/OGが社会で活躍することによって、企業価値を高めることに貢献できるではないかと
思います。
例えば、リクルート、ここには元リクルートで現在、社会で活躍している人材が多数います。
(USEN 宇野康秀さん、リンクアンドモチベーションの小笹芳央さん、元トレンダーズの経沢香保子さんとか、
私の知り合いの元リクは現在、ブルーのラリーバードマークの会社で社長をなさっています。)
リクルートは30代、40代で活躍している会社ですが、同様にOB/OGが社会的に活躍し、元〇〇はすごいとなれば、その作り出す企業価値は大きいはずでは。
もちろん、こうしたサポートをうけたOB/OGは退職後も会社のサポータとして、株主にもなってくれたり、
製品モニターにもなってくれる可能性も高くなるでしょう。
定年後に、社員が社会で活躍してもらうこと。それは大いに企業にもメリットがあるのです。
シニアにこそ、副業許可をしていくべきなのではないでしょうか。
参考文献
プレジデントオンライン:山口俊一「兼業・副業」はシニア社員と役職定年者から始まる
厚生労働省:雇用動向調査(平成16年度版と平成27年度版)
毎日新聞:働き方改革 兼業・副業の指針作成へ…政府